【完結】自称ヒロイン役を完遂した王家の影ですが、断罪パーティーをクリアした後に王太子がぐいぐい来ます。

その頃のジョエル

「おーたいしでんか、ありがとう！」


ジョエルはその頃、側近のケントやタイタンと一緒に孤児院へ慰問に来ていた。


子どもたちは可愛い。
どんな子どもも可能性無限大だ。

一緒に畑仕事をし、勉強を見て、家事をする。


育ち盛りなのに、あまり肉を食べられないのを知って、ジョエルは悲しい気持ちになった。



「はあ、はあ。やっと寝ました………」

寝るまで絵本を読んでいたケントが、ぐったりしてやってきた。


タイタンもやんちゃ盛りの男の子を持ち上げたりしていたので、さすがに疲れた様子だ。



「しかし驚きましたねえ。両性具有の人って意外といるんですね。」

「ああ………」


子どもたちの中には、奇形として捨てられた両性具有の子も多かった。



「私はやるぞ！差別されない国を！ひとりひとりが能力を活かせる社会を目指す！」

「それでこそ殿下です。」


「まずは教会や市井に無料の教育施設を。教会には家畜も育ててもらうとして。官吏の登用制度も見直しだな。」

「騎士団もお願いしますよ。結構素質がありそうな子もいましたよ。」



差別されないようになれば、君の頑な心も解けるだろうか。