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エリムにあいたい

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疲れる!

王太子殿下を撒いて自分の教室に辿り着いた俺は、なんとか午前の授業をやり過ごした。

明らかに学習内容のレベルが高い。

(あいつ、俺に妃教育しようとしてやがる!)


だが………他の生徒には悪いが、知識は力になる。

俺も利用させてもらうし、他の皆も是非くらいついてほしい。



はあ、俺の癒しに会いたい。

エリム。

盲目ゆえに家族に虐げられ、学園でも侮られていた白杖の貴公子。
見て見ぬふりができなくて、見えないのを良いことに、廃校舎でスノウとして、勉強を教えた。

学ぶ喜び、できた喜びに向けられた笑顔。

きゅんきゅんする。



エリムの瞳は綺麗だ。
見えていないようには見えない。
光が眩しいと感じることもできるらしい。

ならば、然るべき治療を受けられれば、見えるようになる可能性は高い。

それなのに治療を受けさせない彼の父親が腹立たしい。

聞けば彼は前妻の子で、父親には後妻と後妻との息子がいるようだ。





「エリム。これからは堂々と教室で教えてやろう。」

休憩時間になった瞬間、声をかけようとした王太子殿下に気づかないふりをして、俺は親友の教室に走った。
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