最愛を亡くした男は今度こそその手を離さない

竜鳴躍

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竜の魔族化

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「ただいまあ。」

「「「お帰りなさい~」」」


俺は今日18になる。

予想はしていたが、父方の唯一の親族である優華おばさんと旦那さん、魔族のお祖父さまお祖母さまが家にいた。

「母さん、父さんも来るの?マジックショーのツアー中でしょ?」

「転移魔法があるもの、来るわよ。」

さ、汚れ物出して。運動部は汚れ酷いんだから。と言われ、俺は洗濯物を出し、着替えを持ってシャワーに向かった。

通っている高校でサッカー部に入っている。体を動かすのは好きだ。

父親は有名マジシャンで割と裕福に生活させてもらえ、私立の学校に通うことができた。
エスカレーターの進学校でそのまま進学も内定しているから、大学受験はいらない。
部活にはギリギリまで顔を出したい。


「………っち!」

シャワーのお湯が熱すぎる。

「母さん、シャワー熱すぎるんだけど。温度高すぎない?」

「えー、いつもと一緒よ?壊れてるのかしら。水多めにして調整してー。」


おかしいなあと思いながらシャワーを済ませると、父さんと従兄弟のハジメが来ていた。

「おじさんは良いよね。先祖の血が強くて人間だけど魔法が使えるんだもん。」

ハジメは父さんが魔法でサクッときたのが羨ましいらしい。

自分もいつか目覚めないかなあっていつも言ってる。


「うーん、あと一人なんだけど仕事が終わらないみたいね。」

「もしかして、アルファさん?」


「そうよ。」


ふふ、早く来ないかな。




「まあ、これ以上待っても仕方ないし、始めておきましょ。」




皆が料理をテーブルに運んで移動する。



「遅れてしまった。すまない。」


アルファさんが現れる。


嬉しい。


俺の前世はリュウだけど、リュウとは違う。
リュウより多分、アルファさんが好きだ。


「いらっしゃい。アルファさ」


振り返って笑う。



だがそこで、俺は意識を手放した。


力強い腕が俺を抱きとめる。



「なんで今更。」


「魔族化だわ。しかもなんで…………」





氷魔なの?



と、皆が言うのが遠くで聞こえた。
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<関連作>①https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/745514318②https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/186571339第1話がダイジェストなので、よろしかったらご覧になっていただけると嬉しいです。
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