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麗しの姫と月の君

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「きゃあ、すてき。ビクトリア王女とエクス様よ。美男美女で品があって、絵画のよう。」

「でもどうされたのかしら?エクス様は殿下の側近では。」

「それが先日解雇されたようなのですわ。それで王女様が………。」


「ああ………(推して知るべし)。」




学園内がざわついている。

殿下たちの視線が痛いが、ビクトリア王女はさっと侍女を目隠しに使って下さった。

綺麗な長い指なのだろう。
シルクの手袋越しにエスコートをして教室に入る。

「貴方のクラスもこちらに移しているわ。今まで殿下と一緒に受けていたでしょう?私の隣にお座りになって?」

淑女の微笑みが眩しい。




「ビクトリア様、よろしいでしょうか。」

侍女が王女の傍に侍り、耳打ちする。


「……………まあ、それはそれは。よくもまあ周りが見えてらっしゃらないのね。」

王女がクスクス笑うので、私も気になってしまう。

「あのクズたち。私のことを悪役令嬢ですって。私と貴方は最初からつながっていて共謀しているのですって。」


「!」


「気にしないわ。貴方も堂々としていたらいいの。真実は皆様がご存知よ。自分で自分を貶めているだけね。でももし貴方が私の名誉を守りたいと言ってくださるのなら。次の体育の時間に付き合ってくださる?」

はい、もちろんです!

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