3 / 18
麗しの姫と月の君
しおりを挟む
「きゃあ、すてき。ビクトリア王女とエクス様よ。美男美女で品があって、絵画のよう。」
「でもどうされたのかしら?エクス様は殿下の側近では。」
「それが先日解雇されたようなのですわ。それで王女様が………。」
「ああ………(推して知るべし)。」
学園内がざわついている。
殿下たちの視線が痛いが、ビクトリア王女はさっと侍女を目隠しに使って下さった。
綺麗な長い指なのだろう。
シルクの手袋越しにエスコートをして教室に入る。
「貴方のクラスもこちらに移しているわ。今まで殿下と一緒に受けていたでしょう?私の隣にお座りになって?」
淑女の微笑みが眩しい。
「ビクトリア様、よろしいでしょうか。」
侍女が王女の傍に侍り、耳打ちする。
「……………まあ、それはそれは。よくもまあ周りが見えてらっしゃらないのね。」
王女がクスクス笑うので、私も気になってしまう。
「あのクズたち。私のことを悪役令嬢ですって。私と貴方は最初からつながっていて共謀しているのですって。」
「!」
「気にしないわ。貴方も堂々としていたらいいの。真実は皆様がご存知よ。自分で自分を貶めているだけね。でももし貴方が私の名誉を守りたいと言ってくださるのなら。次の体育の時間に付き合ってくださる?」
はい、もちろんです!
「でもどうされたのかしら?エクス様は殿下の側近では。」
「それが先日解雇されたようなのですわ。それで王女様が………。」
「ああ………(推して知るべし)。」
学園内がざわついている。
殿下たちの視線が痛いが、ビクトリア王女はさっと侍女を目隠しに使って下さった。
綺麗な長い指なのだろう。
シルクの手袋越しにエスコートをして教室に入る。
「貴方のクラスもこちらに移しているわ。今まで殿下と一緒に受けていたでしょう?私の隣にお座りになって?」
淑女の微笑みが眩しい。
「ビクトリア様、よろしいでしょうか。」
侍女が王女の傍に侍り、耳打ちする。
「……………まあ、それはそれは。よくもまあ周りが見えてらっしゃらないのね。」
王女がクスクス笑うので、私も気になってしまう。
「あのクズたち。私のことを悪役令嬢ですって。私と貴方は最初からつながっていて共謀しているのですって。」
「!」
「気にしないわ。貴方も堂々としていたらいいの。真実は皆様がご存知よ。自分で自分を貶めているだけね。でももし貴方が私の名誉を守りたいと言ってくださるのなら。次の体育の時間に付き合ってくださる?」
はい、もちろんです!
20
お気に入りに追加
322
あなたにおすすめの小説
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
みんなが嫌がる公爵と婚約させられましたが、結果イケメンに溺愛されています
中津田あこら
恋愛
家族にいじめられているサリーンは、勝手に婚約者を決められる。相手は動物実験をおこなっているだとか、冷徹で殺されそうになった人もいるとウワサのファウスト公爵だった。しかしファウストは人間よりも動物が好きな人で、同じく動物好きのサリーンを慕うようになる。動物から好かれるサリーンはファウスト公爵から信用も得て溺愛されるようになるのだった。
ゆったりおじさんの魔導具作り~召喚に巻き込んどいて王国を救え? 勇者に言えよ!~
ぬこまる
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれ異世界の食堂と道具屋で働くおじさん・ヤマザキは、武装したお姫様ハニィとともに、腐敗する王国の統治をすることとなる。
ゆったり魔導具作り! 悪者をざまぁ!! 可愛い女の子たちとのラブコメ♡ でおくる痛快感動ファンタジー爆誕!!
※表紙・挿絵の画像はAI生成ツールを使用して作成したものです。
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
婚約破棄されたので王子様を憎むけど息子が可愛すぎて何がいけない?
tartan321
恋愛
「君との婚約を破棄する!!!!」
「ええ、どうぞ。そのかわり、私の大切な子供は引き取りますので……」
子供を溺愛する母親令嬢の物語です。明日に完結します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる