ヤンデレ王子は姫騎士を包囲する

竜鳴躍

文字の大きさ
上 下
14 / 14

ヤンデレ王子は姫騎士を包囲する

しおりを挟む
僕とアンジュが婚約してしばらくたった。

冬は過ぎ、花が咲き。

僕たちは学年を上げ、2年生になった。


「アンジュ!迎えに来たよ!」


毎日のように、アンジュの家によって、迎えてからともに学園へ行く。

最近では、家で騎士団長が待ち構えている。


「王太子?学園に可愛い下級生が入ってきてるらしいじゃないですか! いいんですよ、いつでも婚約を破棄されても!うちの娘を悪役令嬢にしてもぜんっぜん構いませんからね!一生貰い手がいないほうがむしろよ…いえ、アンジュには騎士団があるので構わないので!」

「はっはっ、ご冗談を。僕がほかの女性に目移りするはずがないじゃないですか!」


「アンジュ、いいか!婚約すると、手をつないだだけでも子どもができてしまうんだ!絶対に王太子に触れたらだめだぞ!近寄られたら斬りふせるのだ!なあに、王太子は丈夫だから大丈夫だ!」


僕がエスコートしようと差し出した手に、手を乗せようとしたアンジュだが、思わずひっこめる。


「そんなはずはないでしょう。触れるだけで子どもができるのなら、今頃学園はおなかの膨らんだ女学生ばかりですよ。」


はあ、とため息をつく。

毎度毎度のやり取り。

面白くもおかしい。

「いい加減にしなさい。ごめんね、この人は連れて行きますからね。いってらっしゃい。」

そのうち、ミレニアさまがやってきて、騎士団長の耳をひっぱって連れて行った。

やはり師匠は頼りになる。



「いい加減、出発しないと遅刻しますよ。」



騎士団部隊長兼護衛兼世話係兼側近になったクリスが、馬車から顔を出した。


「それでは、お姫様?」

「はい!」


エスコートして、ともに馬車に乗る。


アンジュの胸元には、青い石のついたペンダントが揺れて、光を反射して輝いている。



もう絶対逃がさない。



いつまでもいつまでも。

ずっと隣にいよう。










--------------------------


クリス曰く。
「なんで、うちでも外でもヤンデレの相手しなきゃならないんだ!」
と叫んだようですが、側近の役目からは逃げられなかったようです。



色々落ち着いたら、ほかの話も完結させつつ、クリスの話も書きます。

就職難民~冒険者~騎士団~結婚

までの話になるため、ファンタジーでもいけそうですが、ジャンルはたぶんBLにします。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

拉致られて家事をしてたら、カタギじゃなくなってた?!

satomi
恋愛
肩がぶつかって詰め寄られた杏。謝ったのに、逆ギレをされ殴りかかられたので、正当防衛だよね?と自己確認をし、逆に抑え込んだら、何故か黒塗り高級車で連れて行かれた。……先は西谷組。それからは組員たちからは姐さんと呼ばれるようになった。西谷組のトップは二代目・光輝。杏は西谷組で今後光輝のSP等をすることになった。 が杏は家事が得意だった。組員にも大好評。光輝もいつしか心をよせるように……

【完】皇太子殿下の夜の指南役になったら、見初められました。

112
恋愛
 皇太子に閨房術を授けよとの陛下の依頼により、マリア・ライトは王宮入りした。  齢18になるという皇太子。将来、妃を迎えるにあたって、床での作法を学びたいと、わざわざマリアを召し上げた。  マリアは30歳。関係の冷え切った旦那もいる。なぜ呼ばれたのか。それは自分が子を孕めない石女だからだと思っていたのだが───

これ、ゼミでやったやつだ

くびのほきょう
恋愛
これは、もしかしたら将来悪役令嬢になっていたかもしれない10歳の女の子のお話。

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

“代わりに結婚しておいて”…と姉が手紙を残して家出しました。初夜もですか?!

みみぢあん
恋愛
ビオレータの姉は、子供の頃からソールズ伯爵クロードと婚約していた。 結婚直前に姉は、妹のビオレータに“結婚しておいて”と手紙を残して逃げ出した。 妹のビオレータは、家族と姉の婚約者クロードのために、姉が帰ってくるまでの身代わりとなることにした。 …初夜になっても姉は戻らず… ビオレータは姉の夫となったクロードを寝室で待つうちに……?!

魅了の魔法を使っているのは義妹のほうでした・完

瀬名 翠
恋愛
”魅了の魔法”を使っている悪女として国外追放されるアンネリーゼ。実際は義妹・ビアンカのしわざであり、アンネリーゼは潔白であった。断罪後、親しくしていた、隣国・魔法王国出身の後輩に、声をかけられ、連れ去られ。 夢も叶えて恋も叶える、絶世の美女の話。 *五話でさくっと読めます。

【完結】負けず嫌いでツヨツヨな人魚姫は、絶対に隣国の王女なんかに王子さまを渡さない!

鬼ヶ咲あちたん
恋愛
この人魚姫、諦めない! 王子さまが隣国の王女と結婚? どうして? 助けたの私だよ? 図々しく恩人面をしている王女に、6人姉妹の最強の末っ子・負けず嫌いでツヨツヨの人魚姫が大好きな王子さまを大人しく渡すわけがない。これは決して海の泡にならない人魚姫の物語。

【完結】公爵令嬢の育て方~平民の私が殿下から溺愛されるいわれはないので、ポーション開発に励みます。

buchi
恋愛
ポーシャは、平民の特待生として貴族の学園に入学したが、容貌もパッとしなければ魔力もなさそうと蔑視の対象に。それなのに、入学早々、第二王子のルーカス殿下はポーシャのことを婚約者と呼んで付きまとう。デロ甘・辛辣・溺愛・鈍感コメディ(?)。殿下の一方通行がかわいそう。ポジティブで金儲けに熱心なポーシャは、殿下を無視して自分の道を突き進む。がんばれ、殿下! がんばれ、ポーシャ? 

処理中です...