ヤンデレ王子は姫騎士を包囲する

竜鳴躍

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なんだか胸がちくりとします

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私はアンジュです。

雪山で行方不明になった王太子とクリスさんを救出するため、今、私は、クリスさんの部隊をお借りしています。

(お父様は置いてきました!だってお父様まで来てしまったら、陛下がついてきてしまうんだもの…!
王太子を救うのに、陛下まで来てしまったら国としてよくないわ!)


クリスさんの部隊は斥候部隊だったようで、まさに今回の任務にうってつけです!

緑色の髪のハデスさんは猟犬使い。
大柄で筋肉もりもりの人です。

紫色の髪のミカエルさんは、鷹使い。
男の人のはずだけれど、きれいなお姉さんにしか見えません!

それで、ハデスさんはミカエルさんの奥さんらしいです。


知らない世界にドキドキします。


山は、吹雪いていましたが、今は落ち着いています。

夜が明けて視界も開けてきました。


「部隊長のことだから、きっと下山始めてるとは思うのよね。」

「あの人は生命力強いからなぁ。」

だとしたら、このあたりから登っていけば合流できるかもな。

私は二人の意見を聞いて、周りの様子に目配りしつつ、山を登ることにしました。


登っている間、いろんな話を聞きました。

クリスさんは家格が低いせいでなかなか就職が出来なくて、卒業後しばらくは冒険者をしていたそうです。

いまの斥候部隊のメンバーも、元々クリスさんをリーダーとする仲間で、みんなは元SSクラスの冒険者だったとか。

「お金にも困ってなかったし、冒険者家業に不満もなかったんだけどさぁ。リーダーが陛下と団長にうっかり気に入られちゃってね~。騎士団の方も実力制を導入するってなって、試験受けてごっそり入ったのよー。」

ハデスと結婚したかったから、丁度安定したかったし、なんだかんだリーダーも、王宮への就職に未練もってたみたいだったしね。

そうそう、リーダーって若く見えるし、ハンサムだけど結構可愛いでしょー?
冒険者の時はもててたのよぉ、女にも男にも。




それを聞いて、胸がちくりとしてきました。


クリスさんは素敵な人です。

どことなく私の父に似ているところもある気がします。

あんな素敵な人と雪山で一緒に遭難して、一晩過ごしたら…。

デイヴィッド様のお気持ちは、クリスさんに向かうこともあるのではないでしょうか。


頼りがいのある大人の男の人に守られたら、コロッといっちゃう話はよく聞きます!

友人がこの間、こっそり貸してくれたので読んでみたのです。


クリス×ディヴィッド様の禁書を!!!!


もしかして、今頃・・・・


あんなことやこんなことが・・・・・・!!!!!



いや!!


いやです!!!!!!!!


ディヴィッド様は…私の大切な・・・・・・・・!



「皆さま、急ぎましょう!クリ×デビになる前に!!!!!」


ハデスさんとミカエルさんがなんだかぎょっとして、後ろから話しかけてきますが、聞こえません。

私はずんずんと山道を進むのでした。





----------------------------------



「えっと…。リーダーがそっちになることって絶対あり得ないんだけど。旧姓で通してるけど、男の嫁だって教えたほうがいいのかな…。」

「やめときなさいよ、リーダーに後で殺されるわよ。」



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