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学園祭
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今日は学園祭。
生徒たちは賑わいで、心なしかそわそわしている。
それもそうだろう、今日は家族も招待されているのだから。
僕のクラスはカフェをすることになっている。
陛下も母も、「楽しみね。」と言ってくれた。
正直
気がおもい。
いや、お茶を入れるのは好きだし、カフェはいいのだ。カフェは。
「大丈夫ですか?王太子。」
考え事をしていたら、執事服を着たクリスが話しかけてくる。
こいつ、モノクル似合うな。
遠巻きに女子がキャーキャー言ってる。
自覚していないだろうが、あれ、お前にだからな。
「大丈夫じゃない…。」
「ああ、まだ受け入れていないんですか。あきらめてください。」
くっ…。
「きゃあ!デイヴィット様! やっぱりマリー様に似てらっしゃいますね!素敵です!」
そこへアンジュがやってきた。
アンジュは、王太子のような白服に金の飾りのついた服を身に着け、長い髪を後ろに束ねている。
そう、
僕は逆に、鬘を被ってドレスを着て化粧をしてるのだ!
僕たちのカフェは、男女逆転の装いをして接客するカフェなのだった。
くそう…なんでクリスだけ普通なんだ。生徒じゃないからか!?
目の前のアンジュは、鍛えてるだけあってカッコいい。
惚れ惚れしてしまう。
不満だが、仕事はきっちりやるぞ。
「おお!お前やっぱりマリーにそっくりだな!若いころのマリーを思い出すよ。」
ふふふと笑う母の傍で、声の大きい陛下に、ビジネススマイルでお茶を入れる。
「オイシクナアレ、オイシクナアレ、モエモエキューン。」
よくわからないが、こう言えって言われた呪文。
「アンジュちゃんは、ミレニア様にそっくりだから、若いころのあなたみたいですわ。」
離れたところで、女子に囲まれているアンジュを見て、母が呟いた。
「そうだ!」
父が何か思いついたようだ。
「お前、アンジュちゃんと並んで!」
?
よくわからないが、並ぶ。
「昔を思い出すなぁ…。」
「楽しかったですね。」
二人は、僕たちを眺めて顔を見合わせ、ほほ笑みあっていた。
生徒たちは賑わいで、心なしかそわそわしている。
それもそうだろう、今日は家族も招待されているのだから。
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正直
気がおもい。
いや、お茶を入れるのは好きだし、カフェはいいのだ。カフェは。
「大丈夫ですか?王太子。」
考え事をしていたら、執事服を着たクリスが話しかけてくる。
こいつ、モノクル似合うな。
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くっ…。
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くそう…なんでクリスだけ普通なんだ。生徒じゃないからか!?
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不満だが、仕事はきっちりやるぞ。
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「そうだ!」
父が何か思いついたようだ。
「お前、アンジュちゃんと並んで!」
?
よくわからないが、並ぶ。
「昔を思い出すなぁ…。」
「楽しかったですね。」
二人は、僕たちを眺めて顔を見合わせ、ほほ笑みあっていた。
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