6 / 14
閑話 「神速」クリス=アッシュフォード
しおりを挟む
私は騎士団長のリチャード=ローズ=ビクトリア伯爵だ。
この国には、剣の腕で二つ名がついている者が何人かいる。
私の娘も、いずれはそうなるだろうが、今のところ二つ名があるのは、私を含めて3人になる。
まずは、私。
剣の一撃が重く、破壊力があることから『剛剣』と呼ばれている。
二人目はマクシミリアン陛下だ。
細身の陛下の剣筋は、水の流れのように美しく、『流麗』と呼ばれる。
三人目が、デイヴィット王太子につけたクリス=アッシュフォードだ。
男爵家の次男で、貴族としては殆ど平民だが、学園での勉学の成績はああ見えてすべて上位だったし、
武術の成績でも、彼の時代には彼に並ぶものはいなかった。
本人は自分への評価に気づいていないが、容姿だって優れている。
艶やかな黒髪に整った顔立ち。菫色に近い青い瞳に長い睫毛。
若く見えるのは、鼻筋がそこまで高いわけでなく、骨格もガッシリといったところではなくて、
前髪もおろしているせいだろう。(セットがめんどくさいらしい)
彼を養子にしたいという上位貴族も結構いたようだが、長男に何かあった時のスペアとして残しておきたい両親がすべて断っていたようだ。
家格さえ揃っていれば、彼は楽に何にでもなれただろうし、婚約者も引く手あまただったろうに。
そうそう、彼の二つ名は『神速』だ。
動きが俊敏で、動体視力がものすごくいい。そして、片手剣を2本使う、二刀流の達人だ。
クリスが神速の剣なら、王太子は神速の拳。
つまり、神速には神速をつけないと、釣り合わないという話だ。
あの王太子の本気についていけるのは、私以外ではクリスくらいだろう。
他のやつらでは、王太子の残像さえ残像と認識できないはず。
実力のみで20代そこそこの若さで騎士団の部隊長を務める男。
あいつなら、王太子の無茶ぶりにもこたえられるだろうし、大丈夫だろう。
この国には、剣の腕で二つ名がついている者が何人かいる。
私の娘も、いずれはそうなるだろうが、今のところ二つ名があるのは、私を含めて3人になる。
まずは、私。
剣の一撃が重く、破壊力があることから『剛剣』と呼ばれている。
二人目はマクシミリアン陛下だ。
細身の陛下の剣筋は、水の流れのように美しく、『流麗』と呼ばれる。
三人目が、デイヴィット王太子につけたクリス=アッシュフォードだ。
男爵家の次男で、貴族としては殆ど平民だが、学園での勉学の成績はああ見えてすべて上位だったし、
武術の成績でも、彼の時代には彼に並ぶものはいなかった。
本人は自分への評価に気づいていないが、容姿だって優れている。
艶やかな黒髪に整った顔立ち。菫色に近い青い瞳に長い睫毛。
若く見えるのは、鼻筋がそこまで高いわけでなく、骨格もガッシリといったところではなくて、
前髪もおろしているせいだろう。(セットがめんどくさいらしい)
彼を養子にしたいという上位貴族も結構いたようだが、長男に何かあった時のスペアとして残しておきたい両親がすべて断っていたようだ。
家格さえ揃っていれば、彼は楽に何にでもなれただろうし、婚約者も引く手あまただったろうに。
そうそう、彼の二つ名は『神速』だ。
動きが俊敏で、動体視力がものすごくいい。そして、片手剣を2本使う、二刀流の達人だ。
クリスが神速の剣なら、王太子は神速の拳。
つまり、神速には神速をつけないと、釣り合わないという話だ。
あの王太子の本気についていけるのは、私以外ではクリスくらいだろう。
他のやつらでは、王太子の残像さえ残像と認識できないはず。
実力のみで20代そこそこの若さで騎士団の部隊長を務める男。
あいつなら、王太子の無茶ぶりにもこたえられるだろうし、大丈夫だろう。
0
お気に入りに追加
175
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
拉致られて家事をしてたら、カタギじゃなくなってた?!
satomi
恋愛
肩がぶつかって詰め寄られた杏。謝ったのに、逆ギレをされ殴りかかられたので、正当防衛だよね?と自己確認をし、逆に抑え込んだら、何故か黒塗り高級車で連れて行かれた。……先は西谷組。それからは組員たちからは姐さんと呼ばれるようになった。西谷組のトップは二代目・光輝。杏は西谷組で今後光輝のSP等をすることになった。
が杏は家事が得意だった。組員にも大好評。光輝もいつしか心をよせるように……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完】皇太子殿下の夜の指南役になったら、見初められました。
112
恋愛
皇太子に閨房術を授けよとの陛下の依頼により、マリア・ライトは王宮入りした。
齢18になるという皇太子。将来、妃を迎えるにあたって、床での作法を学びたいと、わざわざマリアを召し上げた。
マリアは30歳。関係の冷え切った旦那もいる。なぜ呼ばれたのか。それは自分が子を孕めない石女だからだと思っていたのだが───
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
“代わりに結婚しておいて”…と姉が手紙を残して家出しました。初夜もですか?!
みみぢあん
恋愛
ビオレータの姉は、子供の頃からソールズ伯爵クロードと婚約していた。
結婚直前に姉は、妹のビオレータに“結婚しておいて”と手紙を残して逃げ出した。
妹のビオレータは、家族と姉の婚約者クロードのために、姉が帰ってくるまでの身代わりとなることにした。
…初夜になっても姉は戻らず… ビオレータは姉の夫となったクロードを寝室で待つうちに……?!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
魅了の魔法を使っているのは義妹のほうでした・完
瀬名 翠
恋愛
”魅了の魔法”を使っている悪女として国外追放されるアンネリーゼ。実際は義妹・ビアンカのしわざであり、アンネリーゼは潔白であった。断罪後、親しくしていた、隣国・魔法王国出身の後輩に、声をかけられ、連れ去られ。
夢も叶えて恋も叶える、絶世の美女の話。
*五話でさくっと読めます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】公爵令嬢の育て方~平民の私が殿下から溺愛されるいわれはないので、ポーション開発に励みます。
buchi
恋愛
ポーシャは、平民の特待生として貴族の学園に入学したが、容貌もパッとしなければ魔力もなさそうと蔑視の対象に。それなのに、入学早々、第二王子のルーカス殿下はポーシャのことを婚約者と呼んで付きまとう。デロ甘・辛辣・溺愛・鈍感コメディ(?)。殿下の一方通行がかわいそう。ポジティブで金儲けに熱心なポーシャは、殿下を無視して自分の道を突き進む。がんばれ、殿下! がんばれ、ポーシャ?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】貧乏子爵令嬢は、王子のフェロモンに靡かない。
櫻野くるみ
恋愛
王太子フェルゼンは悩んでいた。
生まれつきのフェロモンと美しい容姿のせいで、みんな失神してしまうのだ。
このままでは結婚相手など見つかるはずもないと落ち込み、なかば諦めかけていたところ、自分のフェロモンが全く効かない令嬢に出会う。
運命の相手だと執着する王子と、社交界に興味の無い、フェロモンに鈍感な貧乏子爵令嬢の恋のお話です。
ゆるい話ですので、軽い気持ちでお読み下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる