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クリスです。私の主人が病んでいます。
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どうもこんにちは。王太子の護衛兼世話係のクリスです。
ただいまうちのヤンデレ王太子は、絶賛闇中です。
「アンジュが口を聞いてくれない…。目を合わせてくれない…。きらわれたきらわれたきらわれたきらわれたきら
部屋に引きこもって、ぶつぶつおっしゃってて、かなり怖いです!
「なぁ、クリス。お前知ってんだろ?アンジュに男でもできたのか?アンジュは可愛いもんな!」
びくっ!こっちを見ないでくださいよ!
「アンジュ様に限ってそんなことあるわけないじゃないですか!騎士団の特訓で服が透けてても全く意に介さないお子様ですよ!」
「へぇ~~~~~~~~~~~。おまえ、みたんだ~~~~~~~~~~~~~~~。僕でさえ見てないのに~~~~~~~。」
ひえっ!失敗した!
「王太子!私のストライクゾーンは年上なのでっ!大丈夫ですよ!!」
「苦し紛れの嘘は見苦しいよ?知ってるんだからねぇ~、君が学園の女子生徒にラブレターもらってデレデレしてるのをー!!」
「デレデレしたっていいじゃないですか!少しくらい!!現役時代は全くモテなかったんですからっ!」
悲しいことに、男爵家の次男じゃ彼女なんてできなかった。
むしろ今、王太子の護衛に抜擢されるくらいの実力者ってことで、モテている。
「本当だったら騎士団のやつらの目を抉り出してやりたいくらいだよ。でもそんなことしたら、国が困るからやらない。ーーーーーーーーでも知ってるかなぁ、僕が素手戦闘を好む本当の理由をさ。殺さず、長く苦しめられるし、相手が武器なら、正当防衛とか過剰防衛って言い張れるからね!」
王太子が拳を手のひらにパンパンしている。
目が光っている!!
こぇええええええええええええええええええええええええ!!!
「ディヴィッド様。まぁまぁ落ち着きなさいませ?」
アンジュににた、でも少し低い大人の女性の声。
振り返ると、そこにはアンジュの母である伯爵夫人がいた。
「おめでとうございます。うちの娘は、やっとあなたを意識したのですわ。嫌ってるのではなく、恥ずかしいのですよ。」
えっ。 そうなの?
般若のような王太子の表情がしゅるしゅると落ち着きを取り戻していく。
「あなたは、ホント陛下とマリーの子よね。基本的に性格は陛下だけど、マリーに似たところもあるのよね。遺伝子って面白いわ。」
あの陛下なら、そんなに悩むくらいなら、勝手に外堀埋めちゃうし、既成事実くらい作っちゃう人だもの。
とんでもないようで、ギリギリで踏みとどまっているのは、マリー譲りの理性なんでしょうね。
「王太子、私はあなたを応援してるのですよ。純粋培養で鈍感だけど、あの子はうちの夫に似てチョロイから、気づかせてしまえばこっちのものよ!」
ああいう相手には、とにかくストレートに、あからさまなくらい好意をぶつけまくるのが一番よ。
私だってはしたないけど、何度も直接的な表現で誘惑したのよ!
そのくらしないと、ああいう相手には響かないのよ!
「ミレニア様、師匠と呼ばせていただいても…!」
こくっとアンジュ母がうなずく。
いいのだろうか…。意気統合する二人を目の当たりにして、僕の脳裏には上司である騎士団長がいました。
ていうか、僕の前で騎士団長とのなれそめとか語らないで!
はずかしいから!!
やめてっ!!
二人の談義は、ミレニアさまが、マリー妃とお茶をしに来たということを思い出すまで続いた。
ただいまうちのヤンデレ王太子は、絶賛闇中です。
「アンジュが口を聞いてくれない…。目を合わせてくれない…。きらわれたきらわれたきらわれたきらわれたきら
部屋に引きこもって、ぶつぶつおっしゃってて、かなり怖いです!
「なぁ、クリス。お前知ってんだろ?アンジュに男でもできたのか?アンジュは可愛いもんな!」
びくっ!こっちを見ないでくださいよ!
「アンジュ様に限ってそんなことあるわけないじゃないですか!騎士団の特訓で服が透けてても全く意に介さないお子様ですよ!」
「へぇ~~~~~~~~~~~。おまえ、みたんだ~~~~~~~~~~~~~~~。僕でさえ見てないのに~~~~~~~。」
ひえっ!失敗した!
「王太子!私のストライクゾーンは年上なのでっ!大丈夫ですよ!!」
「苦し紛れの嘘は見苦しいよ?知ってるんだからねぇ~、君が学園の女子生徒にラブレターもらってデレデレしてるのをー!!」
「デレデレしたっていいじゃないですか!少しくらい!!現役時代は全くモテなかったんですからっ!」
悲しいことに、男爵家の次男じゃ彼女なんてできなかった。
むしろ今、王太子の護衛に抜擢されるくらいの実力者ってことで、モテている。
「本当だったら騎士団のやつらの目を抉り出してやりたいくらいだよ。でもそんなことしたら、国が困るからやらない。ーーーーーーーーでも知ってるかなぁ、僕が素手戦闘を好む本当の理由をさ。殺さず、長く苦しめられるし、相手が武器なら、正当防衛とか過剰防衛って言い張れるからね!」
王太子が拳を手のひらにパンパンしている。
目が光っている!!
こぇええええええええええええええええええええええええ!!!
「ディヴィッド様。まぁまぁ落ち着きなさいませ?」
アンジュににた、でも少し低い大人の女性の声。
振り返ると、そこにはアンジュの母である伯爵夫人がいた。
「おめでとうございます。うちの娘は、やっとあなたを意識したのですわ。嫌ってるのではなく、恥ずかしいのですよ。」
えっ。 そうなの?
般若のような王太子の表情がしゅるしゅると落ち着きを取り戻していく。
「あなたは、ホント陛下とマリーの子よね。基本的に性格は陛下だけど、マリーに似たところもあるのよね。遺伝子って面白いわ。」
あの陛下なら、そんなに悩むくらいなら、勝手に外堀埋めちゃうし、既成事実くらい作っちゃう人だもの。
とんでもないようで、ギリギリで踏みとどまっているのは、マリー譲りの理性なんでしょうね。
「王太子、私はあなたを応援してるのですよ。純粋培養で鈍感だけど、あの子はうちの夫に似てチョロイから、気づかせてしまえばこっちのものよ!」
ああいう相手には、とにかくストレートに、あからさまなくらい好意をぶつけまくるのが一番よ。
私だってはしたないけど、何度も直接的な表現で誘惑したのよ!
そのくらしないと、ああいう相手には響かないのよ!
「ミレニア様、師匠と呼ばせていただいても…!」
こくっとアンジュ母がうなずく。
いいのだろうか…。意気統合する二人を目の当たりにして、僕の脳裏には上司である騎士団長がいました。
ていうか、僕の前で騎士団長とのなれそめとか語らないで!
はずかしいから!!
やめてっ!!
二人の談義は、ミレニアさまが、マリー妃とお茶をしに来たということを思い出すまで続いた。
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