ヤンデレ王子は姫騎士を包囲する

竜鳴躍

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僕の幼馴染はわかってない

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馬車が学園に到着する。

僕たちが、学園に降り立つと、どこからともなく歓声が起こった。

手を振って、応える。

女学生は、僕を見ている。

だが、男子生徒はーーーーーー。


「ディヴィッド様、相変わらずすごい人気ですね。これから、クリスさんと私で学園にいる間は、お守りしますからね!」

になったのかのように振る舞うアンジュ。


相変わらず君はわかってないね。

君は輝くばかりに美しい。

ただでさえ薔薇のように美しいのに、あの騎士団長に似て、性格まで可愛らしい。
そのうえ、剣を習って鍛えた体は、しなやかで、均整がとれて、完ぺきなボディライン。

この中の何人の男が今、脳内で君のことを押し倒したと思ってるんだ!?

社交界で僕がけん制しているからいいようなものの、君は、全く自分のことが分かってない!

あの騎士団長は、強ければ大丈夫だと思ってるかもしれないし、
女だてらに剣の達人なら近寄る男もそういまいと思ってるんだろうが、

僕からしたら、甘い!甘すぎる!!!

お前の娘は、ポンコツだぞ!?

いくら剣が強くても、リーチを詰められたらどうする?
薬を盛られたら?
遠くからしびれ薬を塗った矢が跳んでくることだってあるかもしれないんだぞ?


貼り付けた笑顔のまま、アンジュに見えない角度で男たちに振り向き、絶対零度のオーラを向けると、「ひぃ!」と唸って、顔をそむけた。




…全く先が思いやられる。


放課後。

アンジュがなかなか選択授業から帰ってこないので、教室まで迎えに行くと、さっそく誰もいない教室で男と二人きりになっている。

「一目見て君のことがーーーー」

アンジュはきょとんとしてる。あれは、絶対にわかってない顔だ。
あのくらいの告白なら、僕だって数えきれないくらいしたが。彼女は好き=LIKEしか知らない。
あのくそ騎士団長が、純粋培養をしたからだ。

ガラッと戸をあけて、わざと明るく声を出す。

「アンジュー、遅いから迎えに来たよ!帰ろう!!」


「あっ、ディヴィッド様! では、失礼いたします。うれしいですわ、初日からができるなんて!」

たったっと僕の方へ来る。

男は、いやそんな意味では。とか言っている。

僕は、先輩にご挨拶するから、と言って、クリスにアンジュを預けて教室の外へ行かせた。


ゴッ。


「ひぃ!」


先輩越しに教室の壁を殴ると、パラパラと壁が崩れた。



「先輩、これからよろしくお願いしますね。」


こくこくと首を縦に動かして座り込む先輩を残して、僕は去った。



まずは性教育。
世の中にはLOVEという概念あることを分かってもらう。
他の男はぶっつぶす。
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