2 / 14
おはようございます、護衛兼世話係のクリスです。
しおりを挟む
おはようございます、僕は王太子の護衛兼世話係のクリス=アッシュフォードです。
男爵家の次男坊ですが、登用試験を受けて合格したので、宮仕えさせていただいております。
騎士団の部隊長をこう見えてもさせていただいておりますが、年が若いのと、見た目が若く見られる、いわゆる童顔で、学園にいても浮かないだろうと、この度王太子の学園でのお世話役を拝命いたしました。
護衛?
王太子に護衛なんて本当は要らないんですよ。
王太子はいざという時の護身術だけで、武術はあまり得意じゃないということになっておりますが、その護身術が半端ないので。
なんで、拳の一撃で建物の端から端までぶっ飛ばせるんですか。
なんで、武器持った相手の懐に潜り込んで、アッパーかませるんですか。
なんで、そんな足が上に上がるんですか。
なんで、拳の連打が見えないんですか。
なんで、本気で動くと残像が見えるんですか。
あんたはどっかの戦闘民族ですかぁあああああああああああ!?
王子に聞いたことがあります。
「なんで王子は素手の戦闘術を?」
「それは、イザという時は武器に頼れないことも多いからだけど、武器なしだと相手も油断してくれるじゃない?陛下が女装して城下を調査しに行くのと一緒だよ。僕は女装はしないからね、かよわい王太子ってことにしといてよ。」
まあ、まともな回答ですよね。
でも、これ、表向きの回答ですよね。
おっと、そんなことを考えていたら、ビクトリア伯爵邸に到着しました。
真っ先に下りて、王太子殿下をエスコートします。
「ディヴィッド様、ごきげんよう!」
馬車がついた先には、かわいらしい女性が待っていました。
殿下の想い人であり、騎士団長の娘さんである、アンジュ様。
娘にアンジュ=天使って名づけるあたり、あの騎士団長も十分アタマ沸いてると思っています。
「アンジュ、今日も素敵だね!」
アンジュ様にニコニコとほほ笑む王太子。
「今日から学園ね。どきどきしちゃうわ。でも、本当に登校ご一緒してよろしかったの?」
なんなら私、トレーニングをかねて走っていってもいいくらいなのですが。と
目の前の可憐そうな女性がとんでもないことを言っている。
騎士団長の娘さんは、子どもの頃から騎士を目指していて、剣の腕だけなら、今すぐにでも入団できるレベルにある。
娘が仕事で怪我するのが嫌だからと、父親が鍛えに鍛えた結果。
その副効果で、母親と陛下によく似たその美貌は、戦う者のしなやかな筋肉に彩られ、とても美しい。
「いいんだよ、だって僕は弱いからね。君が一緒なら心強いもの。」
「んも~~~~。しょうがないわねぇ~~~。」
王太子のエスコートで、アンジュ様が馬車に乗り込む。
あーーーーーーー
もーーーーーーーー
アンジュ様、隣でニコニコしてらっしゃいますけどね、貴方のその幼馴染はとんでもないですからね。
頭の中ではあなたを幽閉して言葉に出せないことをやらかしてるような男なんですからね?
脳筋馬鹿に近い純粋なこの美少女に、幸あらんことを祈るばかり。
男爵家の次男坊ですが、登用試験を受けて合格したので、宮仕えさせていただいております。
騎士団の部隊長をこう見えてもさせていただいておりますが、年が若いのと、見た目が若く見られる、いわゆる童顔で、学園にいても浮かないだろうと、この度王太子の学園でのお世話役を拝命いたしました。
護衛?
王太子に護衛なんて本当は要らないんですよ。
王太子はいざという時の護身術だけで、武術はあまり得意じゃないということになっておりますが、その護身術が半端ないので。
なんで、拳の一撃で建物の端から端までぶっ飛ばせるんですか。
なんで、武器持った相手の懐に潜り込んで、アッパーかませるんですか。
なんで、そんな足が上に上がるんですか。
なんで、拳の連打が見えないんですか。
なんで、本気で動くと残像が見えるんですか。
あんたはどっかの戦闘民族ですかぁあああああああああああ!?
王子に聞いたことがあります。
「なんで王子は素手の戦闘術を?」
「それは、イザという時は武器に頼れないことも多いからだけど、武器なしだと相手も油断してくれるじゃない?陛下が女装して城下を調査しに行くのと一緒だよ。僕は女装はしないからね、かよわい王太子ってことにしといてよ。」
まあ、まともな回答ですよね。
でも、これ、表向きの回答ですよね。
おっと、そんなことを考えていたら、ビクトリア伯爵邸に到着しました。
真っ先に下りて、王太子殿下をエスコートします。
「ディヴィッド様、ごきげんよう!」
馬車がついた先には、かわいらしい女性が待っていました。
殿下の想い人であり、騎士団長の娘さんである、アンジュ様。
娘にアンジュ=天使って名づけるあたり、あの騎士団長も十分アタマ沸いてると思っています。
「アンジュ、今日も素敵だね!」
アンジュ様にニコニコとほほ笑む王太子。
「今日から学園ね。どきどきしちゃうわ。でも、本当に登校ご一緒してよろしかったの?」
なんなら私、トレーニングをかねて走っていってもいいくらいなのですが。と
目の前の可憐そうな女性がとんでもないことを言っている。
騎士団長の娘さんは、子どもの頃から騎士を目指していて、剣の腕だけなら、今すぐにでも入団できるレベルにある。
娘が仕事で怪我するのが嫌だからと、父親が鍛えに鍛えた結果。
その副効果で、母親と陛下によく似たその美貌は、戦う者のしなやかな筋肉に彩られ、とても美しい。
「いいんだよ、だって僕は弱いからね。君が一緒なら心強いもの。」
「んも~~~~。しょうがないわねぇ~~~。」
王太子のエスコートで、アンジュ様が馬車に乗り込む。
あーーーーーーー
もーーーーーーーー
アンジュ様、隣でニコニコしてらっしゃいますけどね、貴方のその幼馴染はとんでもないですからね。
頭の中ではあなたを幽閉して言葉に出せないことをやらかしてるような男なんですからね?
脳筋馬鹿に近い純粋なこの美少女に、幸あらんことを祈るばかり。
11
お気に入りに追加
175
あなたにおすすめの小説

【完】皇太子殿下の夜の指南役になったら、見初められました。
112
恋愛
皇太子に閨房術を授けよとの陛下の依頼により、マリア・ライトは王宮入りした。
齢18になるという皇太子。将来、妃を迎えるにあたって、床での作法を学びたいと、わざわざマリアを召し上げた。
マリアは30歳。関係の冷え切った旦那もいる。なぜ呼ばれたのか。それは自分が子を孕めない石女だからだと思っていたのだが───

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
“代わりに結婚しておいて”…と姉が手紙を残して家出しました。初夜もですか?!
みみぢあん
恋愛
ビオレータの姉は、子供の頃からソールズ伯爵クロードと婚約していた。
結婚直前に姉は、妹のビオレータに“結婚しておいて”と手紙を残して逃げ出した。
妹のビオレータは、家族と姉の婚約者クロードのために、姉が帰ってくるまでの身代わりとなることにした。
…初夜になっても姉は戻らず… ビオレータは姉の夫となったクロードを寝室で待つうちに……?!

【完結】公爵令嬢の育て方~平民の私が殿下から溺愛されるいわれはないので、ポーション開発に励みます。
buchi
恋愛
ポーシャは、平民の特待生として貴族の学園に入学したが、容貌もパッとしなければ魔力もなさそうと蔑視の対象に。それなのに、入学早々、第二王子のルーカス殿下はポーシャのことを婚約者と呼んで付きまとう。デロ甘・辛辣・溺愛・鈍感コメディ(?)。殿下の一方通行がかわいそう。ポジティブで金儲けに熱心なポーシャは、殿下を無視して自分の道を突き進む。がんばれ、殿下! がんばれ、ポーシャ?

【完結】貧乏子爵令嬢は、王子のフェロモンに靡かない。
櫻野くるみ
恋愛
王太子フェルゼンは悩んでいた。
生まれつきのフェロモンと美しい容姿のせいで、みんな失神してしまうのだ。
このままでは結婚相手など見つかるはずもないと落ち込み、なかば諦めかけていたところ、自分のフェロモンが全く効かない令嬢に出会う。
運命の相手だと執着する王子と、社交界に興味の無い、フェロモンに鈍感な貧乏子爵令嬢の恋のお話です。
ゆるい話ですので、軽い気持ちでお読み下さいませ。

『壁の花』の地味令嬢、『耳が良すぎる』王子殿下に求婚されています〜《本業》に差し支えるのでご遠慮願えますか?〜
水都 ミナト
恋愛
マリリン・モントワール伯爵令嬢。
実家が運営するモントワール商会は王国随一の大商会で、優秀な兄が二人に、姉が一人いる末っ子令嬢。
地味な外観でパーティには来るものの、いつも壁側で1人静かに佇んでいる。そのため他の令嬢たちからは『地味な壁の花』と小馬鹿にされているのだが、そんな嘲笑をものととせず彼女が壁の花に甘んじているのには理由があった。
「商売において重要なのは『信頼』と『情報』ですから」
※設定はゆるめ。そこまで腹立たしいキャラも出てきませんのでお気軽にお楽しみください。2万字程の作品です。
※カクヨム様、なろう様でも公開しています。

【完結】小さなマリーは僕の物
miniko
恋愛
マリーは小柄で胸元も寂しい自分の容姿にコンプレックスを抱いていた。
彼女の子供の頃からの婚約者は、容姿端麗、性格も良く、とても大事にしてくれる完璧な人。
しかし、周囲からの圧力もあり、自分は彼に不釣り合いだと感じて、婚約解消を目指す。
※マリー視点とアラン視点、同じ内容を交互に書く予定です。(最終話はマリー視点のみ)

乙女ゲームは見守るだけで良かったのに
冬野月子
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した私。
ゲームにはほとんど出ないモブ。
でもモブだから、純粋に楽しめる。
リアルに推しを拝める喜びを噛みしめながら、目の前で繰り広げられている悪役令嬢の断罪劇を観客として見守っていたのに。
———どうして『彼』はこちらへ向かってくるの?!
全三話。
「小説家になろう」にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる