【完結】美貌のオメガは正体を隠す

竜鳴躍

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番外編など

芸能人の事情

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「はじめ~!」

記者会見会場のホテルへ行くと、パウダールームで鹿島葵がにこやかに出迎えた。

華やかな衣装はステージ衣装だろうか。

だが、彼の首元には傷を隠すための太めのチョーカーがはめられている。

この後、音楽番組の収録が控えているらしい。



奥の方では、葵のグループメンバーが勢ぞろいしていた。

うっ…。睨まれている。


そりゃあそうだろう。彼らは皆アルファだ。
ぽっと出の一般人に大事にしていた姫をかっさらわれたのだから。


奥の方では、splashのマネージャーだろう、ひっつめ髪に眼鏡をかけたスーツ姿の女性が疲れた顔をしている。


「この度は……。ヒートにあてられたとはいえ無責任な行いをしてしまい。皆様にご迷惑をおかけして、本当に返す言葉もございません。申し訳ありませんでした。」
しっかりと腰を曲げて頭を下げる。
手は腿の横!


「はじめ?俺も同罪なんだから、大丈夫だよ。メンバーを紹介するね。こっちのがっしりしたイケメンがうちの体育会系で筋肉担当の緑川塁。」

「うす。」

「こっちの小柄で可愛い子がうちの萌え担当の桃園梓。」

「あずにゃんでーす。」

「こっちの高身長の人がミステリアス担当の青紫雪。」

「………。」

「で、こいつがムードメイカーの黄山亨。」

「はあい!…てかさぁ、葵って氷室サン狙いじゃなかったん!?」



目を丸くして葵は俺をじっと見てほほ笑んだ。


「んー。氷室さんカッコいいから良いな、って思ってただけだった、みたいな?理想と現実ってちがうんだなって思ったよ。はじめもそうでしょ。」


「………そうだなぁ。俺は真面目でしっかりもので御淑やかな子が理想だったんだが。」

「真面目でしっかりもので御淑やかでしょ?」


……まあ、見ようによっては?




「………だが、葵。本当にいいのか?番になったのは仕方がないとしても公表しても。」


「いいんだよ。てかむしろ、週刊誌より先に自分から言った方がいいって。俺たちのファンは若い女性が多いでしょ?俺の相手が女性ならともかく、男性の場合は割と許される傾向があるんだよね。ホラ、BL?腐女子っていうの?きれいな男同士でいちゃつくの、女性は好きだからさ。」



そう、だから今日は会見前に磨くからね!

はじめは素はいいんだから。

さっぱりめの顔も化粧映えすると思うんだよねぇ。






この日の記者会見。


切れ長の瞳で色っぽい鹿島葵がさらに色気に輪をかけて。
婚約した番と仲睦まじく記者会見を行った。

彼の隣には、涼し気な目元で男の色気が漂う、政治家の御曹司。

暴漢に襲われ、ヒートを起こした鹿島葵を偶然通りかかった彼が救った。

そして、なんと助けた彼は、運命の番だったのだ。

当然の成り行きで番になった二人。



――――そんな御伽噺が語られ、世の女性たちは韓流アイドルのような上津野一と、幸せそうに寄り添う鹿島葵を祝福し、そして二人の蜜月を妄想するのだった。


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