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両天秤
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「社長さん?……いえ、氷室君のお母さま。彼は今まで週刊誌に騒がれないのがおかしいくらいに女性関係は奔放でしたね。だが、今回は金で解決出来ないですよ。」
「それは……。」
社長が青ざめる。
氷室もガタガタ震えていた。
プロデューサーに睨まれ、週刊誌に騒がれたら、タレント生命が終わる。
「吉田花梨は、大手ゼネコンの吉田建設の社長令嬢。彼女が巻き込んだ幼なじみの青年は、北村議員の息子です。」
さらに、と続ける。
「彼女が巻き込んだことで、彼は結婚を前提に交際をしていた運命の番と別れている。運命の番は、和泉大臣の息子だ。」
ヒッ と、息を呑む声が聞こえた。
「待ってくれ、俺は初めから割り切った大人の関係のつもりで声をかけたんだ!バーで際どい格好の若いオメガの女が一人でいたら、誰だってそう思うだろ!あいつはしつこくて、俺はヒートの時は避けてたし、避妊もしてたのに、結婚したいからってヒート時に騙して誘った上に避妊具に穴を開けたのは彼女の方だ!その日に俺は認めないって言ったし、小切手だって切った!緊急避妊も中絶もできたんだ!それに、あれから会ってない!俺だって被害者だ!」
「………気の毒に、とは思うが、君の場合自業自得じゃないのか?君に落ち度がないというなら、裁判でもするがいいさ。だが、君は芸能人だということを忘れてはいけない。」
うう、と氷室は言葉を詰まらせた。
「いいじゃないですか。吉田建設。君の後ろ盾になるでしょ?今までみたいなアイドル売りはできなくなるが、固く長く活躍できるでしょう。そこそこにはね。」
「!」
「それとも、両議員や世論に叩かれて芸能生命絶たれるのと、どちらがいいかな?」
「それは……。」
社長が青ざめる。
氷室もガタガタ震えていた。
プロデューサーに睨まれ、週刊誌に騒がれたら、タレント生命が終わる。
「吉田花梨は、大手ゼネコンの吉田建設の社長令嬢。彼女が巻き込んだ幼なじみの青年は、北村議員の息子です。」
さらに、と続ける。
「彼女が巻き込んだことで、彼は結婚を前提に交際をしていた運命の番と別れている。運命の番は、和泉大臣の息子だ。」
ヒッ と、息を呑む声が聞こえた。
「待ってくれ、俺は初めから割り切った大人の関係のつもりで声をかけたんだ!バーで際どい格好の若いオメガの女が一人でいたら、誰だってそう思うだろ!あいつはしつこくて、俺はヒートの時は避けてたし、避妊もしてたのに、結婚したいからってヒート時に騙して誘った上に避妊具に穴を開けたのは彼女の方だ!その日に俺は認めないって言ったし、小切手だって切った!緊急避妊も中絶もできたんだ!それに、あれから会ってない!俺だって被害者だ!」
「………気の毒に、とは思うが、君の場合自業自得じゃないのか?君に落ち度がないというなら、裁判でもするがいいさ。だが、君は芸能人だということを忘れてはいけない。」
うう、と氷室は言葉を詰まらせた。
「いいじゃないですか。吉田建設。君の後ろ盾になるでしょ?今までみたいなアイドル売りはできなくなるが、固く長く活躍できるでしょう。そこそこにはね。」
「!」
「それとも、両議員や世論に叩かれて芸能生命絶たれるのと、どちらがいいかな?」
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