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スカイとレモネ編
謁見と罠
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「父上!私は彼と…、結婚したいと考えております!どうかお許しください!!!」
ウエストリバー帝国の玉座の間では、騎士たちが左右に整列する重々しい空気の中、リチャードが許しを請うていた。
隣には、一歩下がってスカイ。
陛下は、きらきらと黄金のようにも見えるミルクティー色の髪の美しい青年と息子を交互に見る。
「リチャード。そこの彼は人間ではないと聞いておる。竜であると。」
「はい…。ですが、彼の半分は人間です。父親は今はなきメディカル王国の王子グランド。母親は確かに竜ですが…。何より私たちは愛し合っております。スカイは、人の世に骨をうずめると言っております。私とともに生きたいと。どうかお許しください!」
「ほう……。王族の尊き血を持つか。ならば、血統的にも問題はあるまい、許すとしよう!」
「ありがとうございます!」
リチャードとスカイは喜んだ。
「だが、竜ということで恐れを抱く者がおるやもしれん。不便をかけるが、この首輪をつけてもらえるか?これは服従の首輪。なあに、何もしない。周りの恐れをとるためのものだよ。」
「父上、それは…!」
陛下が目でリチャードを睨む。
「いいよ、リチャード様。許してもらえるためだもの。」
スカイは言われるがまま、玉座を上がり、自ら首を差し出す。
カチャリと音がして、その瞬間。スカイは拘束された。
「ははははははははははは!よくやった、でかしたリチャード!これで竜は我が国のものだ!」
「父上!?」
リチャードは焦り、スカイに駆け寄ろうとして騎士に阻まれる。
「ねえあなた、血は不老不死になるのでしょう?わたくし、若さを保ちたいわ!」
「それなら、わたくしも!」
「スカイ!スカイ!」
我先もと、卑しい会話が続く。
リチャードは後悔した。
彼のことを思うのなら、彼に手を出すべきではなかったのだ。
ここから彼を救う力はないのに。
思いあがった、お花畑の幼い恋だったのだ。
彼も、自分も。
ウエストリバー帝国の玉座の間では、騎士たちが左右に整列する重々しい空気の中、リチャードが許しを請うていた。
隣には、一歩下がってスカイ。
陛下は、きらきらと黄金のようにも見えるミルクティー色の髪の美しい青年と息子を交互に見る。
「リチャード。そこの彼は人間ではないと聞いておる。竜であると。」
「はい…。ですが、彼の半分は人間です。父親は今はなきメディカル王国の王子グランド。母親は確かに竜ですが…。何より私たちは愛し合っております。スカイは、人の世に骨をうずめると言っております。私とともに生きたいと。どうかお許しください!」
「ほう……。王族の尊き血を持つか。ならば、血統的にも問題はあるまい、許すとしよう!」
「ありがとうございます!」
リチャードとスカイは喜んだ。
「だが、竜ということで恐れを抱く者がおるやもしれん。不便をかけるが、この首輪をつけてもらえるか?これは服従の首輪。なあに、何もしない。周りの恐れをとるためのものだよ。」
「父上、それは…!」
陛下が目でリチャードを睨む。
「いいよ、リチャード様。許してもらえるためだもの。」
スカイは言われるがまま、玉座を上がり、自ら首を差し出す。
カチャリと音がして、その瞬間。スカイは拘束された。
「ははははははははははは!よくやった、でかしたリチャード!これで竜は我が国のものだ!」
「父上!?」
リチャードは焦り、スカイに駆け寄ろうとして騎士に阻まれる。
「ねえあなた、血は不老不死になるのでしょう?わたくし、若さを保ちたいわ!」
「それなら、わたくしも!」
「スカイ!スカイ!」
我先もと、卑しい会話が続く。
リチャードは後悔した。
彼のことを思うのなら、彼に手を出すべきではなかったのだ。
ここから彼を救う力はないのに。
思いあがった、お花畑の幼い恋だったのだ。
彼も、自分も。
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