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イエローとオランジュ編

可愛いあの子は放っておけない子

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お父さんについて、人間の街との商売に着いて行く。

お父さんは上手に竜であることを隠しながら、交易をしている。


竜の住処は秘密で、竜がこの世界にいることは秘密だから、たまに遊びに行くのはいいけれども、交渉事を行うのは限られた者だかでやるのがいいのだそうだ。


竜は寿命が長い分、子どもをそれ程産まないから、竜はそんなに多くはない。

だから、限られた世界でも生活する分には問題はないが、やはり飽きてくる。

美味しい食事、新しい技術。そういうものを竜は仕入れるのだ。


「ゴルさん、久しぶりですね。」


相手の店主が父に微笑んだ。


「ああ。どうにもこうにも年かね。この子は私の息子でイエローって言うんですよ。そろそろこの子に任せようかと思ってね。」


「イエローです。今後ともよろしくお願いします。」

ぺこりと頭を下げると、店主は豪快に笑った。



「いやあ、気持ちがいい好青年だ。なかなかいい男だし。だがなあ、キレイだけじゃ世の中わたっていけないんだぜ?よくお父さんについて勉強するといい。」


「はい、精進致します。」



「イエロー。私は暫く彼と話があるから、そのあたりで適当に時間を潰しておいてくれ。あそこの角の串焼きは美味いぞ。」


お小遣いをもらって串焼きを買いに行くと、ふわふわしたオレンジ色が見えた。




後を追って、雑踏の隙間から様子を窺う。



オレンジ色の髪のあの子。

オランジュで間違いない。



瞳の色は青。

竜の目の色ではない。



(凄いな、匂いは確実にあの子だ。なのに。そんな魔法が使えるのか。)





「なあ、俺。魔法が使えるんだ!きっと役に立つからさ、俺を雇ってくれよ!」


「何言ってるんだ。坊や。早くお母さんのお家に帰りな。」

「俺は大人だっ!」



(人間の街で働きたいのか…。)


竜が人間の街で暮らすなんて、リスクしかない。

なんでオランジュはそれほどこちらで暮らしたいのか。



気になる…。


結局、オランジュは仕事を得られず、気が付くと姿が消えていなくなった。

お父さんの呼ぶ声が聞こえて、店に戻る。



オランジュは姿を消せる魔法も使えるのだろうと思った。
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