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新婚編
愛しいグランド様
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ガチャっ。
僕たちがドアの前で立ちすくんでいると、扉が開いた。
久しぶりに会う、優しいミルクティー。
ちょっと疲れた?
「グランド、さま。ごめんなさい、ぼく、待てなくて…。」
一瞬驚いたグランド様は、優しく僕を抱きしめた。
僕の手を引いて、中へ戻る。
扉は開いたまま。
「シャイナです。私の愛する妻です。私たちの間には可愛い子どももいます。……もう、時間が経ちすぎたのです。私はあの頃の王子じゃない。剣を習って、勉強に励んで、生活は全て他の者に御ぜん立てをされていたような、坊やではないのです。両親や兄が愛したものを想う気持ちはありますが…。別に大切なものができたのです。」
民を最優先にできないようでは、失格でしょう?
ココ伯爵に、グランドはほほ笑んだ。
どこか泣きそうな、悲しそうな顔。
「あ………。」
伯爵は右手をあげ、だが、途中まであげて、空を掴み、おろした。
「おめでとうございます。シャイナ様、グランド様をよろしくおねがいいたします。」
「……はい!」
すぐに、竜の住処に戻ることになった。
その前に、グランド様に案内してもらう。
生まれた世界。
入り浸っていた厨房。
書架室。
子どもの頃の部屋。
そして、ご両親とお兄さんの――――――お墓。
綺麗な花畑の中にあるお墓に、祈りを捧げる。
そして、僕たちは帰るのだ。
僕たちがドアの前で立ちすくんでいると、扉が開いた。
久しぶりに会う、優しいミルクティー。
ちょっと疲れた?
「グランド、さま。ごめんなさい、ぼく、待てなくて…。」
一瞬驚いたグランド様は、優しく僕を抱きしめた。
僕の手を引いて、中へ戻る。
扉は開いたまま。
「シャイナです。私の愛する妻です。私たちの間には可愛い子どももいます。……もう、時間が経ちすぎたのです。私はあの頃の王子じゃない。剣を習って、勉強に励んで、生活は全て他の者に御ぜん立てをされていたような、坊やではないのです。両親や兄が愛したものを想う気持ちはありますが…。別に大切なものができたのです。」
民を最優先にできないようでは、失格でしょう?
ココ伯爵に、グランドはほほ笑んだ。
どこか泣きそうな、悲しそうな顔。
「あ………。」
伯爵は右手をあげ、だが、途中まであげて、空を掴み、おろした。
「おめでとうございます。シャイナ様、グランド様をよろしくおねがいいたします。」
「……はい!」
すぐに、竜の住処に戻ることになった。
その前に、グランド様に案内してもらう。
生まれた世界。
入り浸っていた厨房。
書架室。
子どもの頃の部屋。
そして、ご両親とお兄さんの――――――お墓。
綺麗な花畑の中にあるお墓に、祈りを捧げる。
そして、僕たちは帰るのだ。
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