国で一番醜い子は竜神の雛でした。僕は幸せになれますか？

新婚編

浮気？

僕たちは透明になって山岳地帯の方まで飛んできた。

無事な領地。


ここが、グランド様の故郷なんだ。



胸の奥がじーんと熱くなる。

僕のために人間であることを辞めてくれたグランド様。


だけど、故郷は故郷だもの。

僕たちを大切に思ってくれているのは知ってる。

でも、困っている人たちを放っておける人じゃないもの。



降り立って、人の姿で近づいてみれば、畑の方でイエローさんがいた。





「ふぬぬぬぬぬっ！」

可愛い女の子たちがイエローさんの周りを取り囲んでいる。

「もう我慢できねぇ！」

「あっ！ちょ」


「イエロ～～～～～～～～！！！！！！浮気者ぉ！！！！」


パッと透明化が解除される。




「えっ！？オランジュ！！？」


目を丸くしたイエローさんと目が合って、ちょっと変な空気。



「ぐひっ、ひどい、俺、レモネの相手しながら待ってたのにッ！」
オランジュさんは泣きながら怒ってる。

僕はもうどうしたらいいか。

まず話を聞こうよ！


「えっ、ちが　誤解だってば！」









「なぁあんだ～！新しい特産品の相談してただけかぁ！」


「そうだよ！俺が浮気するわけないだろ！男は狩りとか力仕事に行ってるから、女の子でなんかできることないかって話になったんだよ。俺も早く、みんなを独り立ちさせてオランジュとレモネのところに帰りたかったし。」


２人とも仲直りして腕組してるけど、イエローさんのお顔は傷だらけ。

でも本当によかったぁ。

忙しいの邪魔したら悪いし、ちゃんと待ってるからって帰ろうとしたんだけど、会っていくといいって小さな可愛いお城に案内してもらうことになった。


今は他の人が住んでるけど、元々グランドさんの実家だったんだって。

２人ともこの家で滞在してるらしい。

グランドさんは、早くみんなだけでここを守れるように、書類仕事をメインにやっているんだって。





久しぶりに会えるんだ…。

一週間も待てなかったって、呆れられちゃうかな。


でも嬉しい。



赤いじゅうたんを歩いて、奥へ進むと、男の人の声が聞こえてきた。







「殿下、カティアはまだ、殿下から見て子どもでしょうか。カティアを妻にして、ずっとここへいてくださるわけには―――――――「私には妻子がいる。」

「竜の配偶者になったのですよね。殿下は人です、竜となんて…。」




どういうこと…！？