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新婚編

その頃夫たちは…

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「さぁ、みんな。働かざる者食うべからず、だよ。自立しないとだめだからね!」

イエローがパンパンと手をたたいて、農作業をしている者を動かす。


「はあい!」
「はい!」

農作業をしているのは、まだ小さな子どもたちや既婚女性だ。


「畑仕事が終わったら、お母さんたちは家事、子どもたちは勉強が待ってるからね。」


植えているものは、イモ類やカブや小松菜などの1か月くらいですぐ収穫できるもの。



そこへ、狩りから帰って来た男たちが帰ってくる。

「今日は猪が獲れました!」

「ホーンラビットやビッグベアも倒しました!」



「よしっ。ホーンラビットやビッグベアは解体して隣の町で卸そう。魔獣の角や牙や魔石を売って、パンや缶詰を買い込むんだ。」












「………ふぅ。」

旧メディカル王国。

両親や兄が命を差し出したため、無傷で残った領地。

そこの、かつての城というよりちょっと大きな館ともいえるような、懐かしい場所で、グランドは仕事をこなしていた。



元々メディカル王国は、清浄な水源と空気に恵まれ、薬草やハーブを栽培し、質のいい薬を輸出していた国。

アーサーの襲撃も免れたその土地は、いつも通り平和な生活が続いていたが、ノースリーブ王国の方から難民が押し寄せた。

あまりの人数に支援してやるわけにもいかず、最近では犯罪が増えてきて困っていたところにグランドがやってきたのだ。


変装して、様子を見に来ただけだった。
難民にも、物資を置いたら愛しい妻子の下へ帰るつもりだった。


だが、幼い子どもが飢えて泣いているのをみたら…。




繭の中で見た夢を思い出した。

『衣食住がなんとかなれば、自分たちで再建していけるだろう。』

父の言葉。

確かにそうだと思い、イエローと2人で生き残った者たちに手分けして生きる術を教えた。



焼けた土地には、少しずつ小さな家が建ち始めた。

いつまでもテント生活ではいけない。


みんなで協力して、山を切り開き、木材を組んで、家を建てていく。

城にあった調度品は全部金銭に変えておいた。



「いいかい。私には既に新しい生活がある。違う国の王の唯一の子の配偶者になってるからここへは帰ってこない。だから、領地経営の考え方をみんな、しっかり学んで欲しい。王は戴かなくていい。みんなで話し合って、みんなのための国づくりをするんだ。」





早く、帰りたい。



でも、放っておけない…。


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