国で一番醜い子は竜神の雛でした。僕は幸せになれますか？

新婚編

幸せ

ふくふくと柔らかいほっぺ。

自分もこんな時期があったんだよね。

醜い醜いって言われてきたけど、ちゃんと可愛い。

この子の鱗は金色？


金色に輝いている。

竜の姿は、金竜かな？



ベビーベッドに寝かせたスカイを見ていると、グランド様がお風呂から上がって来た。


「シャイナと私の子、本当に可愛い。こんな時が来るなんて、夢みたいだ。」



後からハグ。


僕も夢みたい。

僕はずっと、あの教会で一生を終えると思ってた。
毎日、掃除や草むしりをして、顔も体も隠して。

僕なんかがグランド様みたいな素敵な人と結ばれるなんて、思ってなかった。


ましてや、僕が子どもを産むなんて―――――――。




「ん……。」


口づけをする。



竜は、発情期でもなかなか子どもができないってお父さんたちも言ってたけど、僕たちはどうなんだろう？

グランド様は人間じゃなくなっちゃったけど、竜じゃないし。

お父さんが言うには、ちょっと身体能力や魔力が強くなって寿命が竜並みになって、いうなれば竜人？になったんだって。

そうだよね、アーサーを僕からさっとひっぺがしてくれたもの。
力強い腕だった。


竜同士じゃないから、少しはできやすいのかな？

だったら嬉しいな。









「幸せ過ぎて、少し。本当に、最近少しなんだけど。落ち着いてきたら、故郷が心配になって来たんだ。」

睦あった後、ベッドで手を繋いで。グランド様が言った。


「人間じゃなくなったせいか、あの国が壊滅したと言われても、それ程感情は沸かなかった。でも、行商をしていて、世界中に顔見知りはいるし、幼い頃から知っている人たちはいるからね…。」

「うん。」


「今度、イエローさんが人間の街に商売で降りるときに、着いて行こうと思ってる。すぐに帰ってくるから、待っていてくれる？」

「本当にすぐに帰ってきてね？でないと、僕もスカイも寂しいから。」


「うん。私も寂しい。ありがとう、ごめんね。」


ぎゅっと抱き合って、僕たちは眠る。