国で一番醜い子は竜神の雛でした。僕は幸せになれますか？

猶予期間の出来事

「今日は、少し体調がいいんだよ。」

竜神の名前はルフレ。

その伴侶の名前はラスターという。


ルフレは銀色の竜で、ラスターは純白の竜だ。


「ティアの顔はお母さん似で、髪はお父さん似なんだね。」


「分かるのかい！竜の形態で分かるなんて！」


グランドの人となりが気にいった二人は、楽しく会話をするようになった。



覚悟は決めた。

だが、失敗する可能性もあるのだ。



暫く楽しく暮らすことに決めていた。




「そういえば、私に体を調べさせてもらえませんか？」

「まあ…ダメで元々だから。」


唾液や血液を採取して、グランドは二人の体を調べた。



「神経毒に侵されているみたいです。効くかどうかはわかりませんが、人間の薬を試してみませんか。」




マジックバックから取り出した材料をもとに調剤したものを、グランドは飲ませた。

すると、二人はなんとか人型をとれるくらいまでには回復することが出来た。

銀色の髪の迫力のある美形のルフレ。

儚げな感じもある、真っ白の髪の美しいラスター。




「ありがとう！グランド様！大好き！」



「……さすが、メディカル王国のグランド王子だ。ありがとう。私たちも孫と遊べるくらいまでは生きられそうだ。」

「本当にありがとう。」


「グランド様、王子様だったの！？」


「いや、昔の話だよ。ノースリーブ王国に統合されて、私は一人生き残ってそれから平民としてずっと行商で生きていたから…。」




「う………。」



ティアが急に顔を青ざめる。



「おなか、いたっ。」











ティアは、小さな卵を産んだ。


小さな卵は、どんどん大きくなって、赤ちゃんが産まれるらしい。


私とティアの可愛い子。

私はこの子のためにも、生まれ変わらねば。