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黒い竜の野望
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目の前の竜たちが僕の両親。
僕は愛されていた子どもだった。
だけど、どうしてこんなに弱っしまっているの?
「我が君。陛下たちはずっと貴方を探していたのです。不眠不休で食事もとれず、心労が積み重なり、生命力を削って生きてきたのです。」
黒い人が代わりに説明した。
「ごめんなさい………。」
涙が溢れる。
「シャイナは悪くない。今まで苦労したね。ようやく見つかってよかった。」
シャイナが僕の本当の名前………なんだね。
「アーサーを捜索に出してよかった。約束どおり、褒美にシャイナの婿としよう。」
「ありがたき幸せ。」
えっ………。
黒い竜がニヤリと笑い、僕を見た。
ようやく獲物を手に入れた。そんな顔だ。
「待って!僕には好きな人がいるの!その人とやっと結ばれたばかりなのに!」
「シャイナ。アーサーは竜の中では一番の個体だし、竜は竜と結ばれるのが幸せだよ。それにその人は確かに人間にしてはいい人だけど、もう手をひいたのでしょう?」
母親は首を傾げている。
でも!
「シャイナ様。竜は処女に拘りません。私が忘れさせてあげますよ。」
先に死ぬ生き物を愛しても、お辛いだけです。
ニイッと笑うその顔が怖い!
「お父さんお母さん、嫌です!」
「シャイナ様は人間として生きてこられたので、分からないのでしょう。」
アーサーの手が腕に食い込む。
「待て!」
「竜神様!」
突然、騒がしくなる。
竜を振り切って現れたのは、グランド様だった。
「グランド様!」
「竜神様!騙されてはなりません!」
グランド様は声を張り上げた。
僕は愛されていた子どもだった。
だけど、どうしてこんなに弱っしまっているの?
「我が君。陛下たちはずっと貴方を探していたのです。不眠不休で食事もとれず、心労が積み重なり、生命力を削って生きてきたのです。」
黒い人が代わりに説明した。
「ごめんなさい………。」
涙が溢れる。
「シャイナは悪くない。今まで苦労したね。ようやく見つかってよかった。」
シャイナが僕の本当の名前………なんだね。
「アーサーを捜索に出してよかった。約束どおり、褒美にシャイナの婿としよう。」
「ありがたき幸せ。」
えっ………。
黒い竜がニヤリと笑い、僕を見た。
ようやく獲物を手に入れた。そんな顔だ。
「待って!僕には好きな人がいるの!その人とやっと結ばれたばかりなのに!」
「シャイナ。アーサーは竜の中では一番の個体だし、竜は竜と結ばれるのが幸せだよ。それにその人は確かに人間にしてはいい人だけど、もう手をひいたのでしょう?」
母親は首を傾げている。
でも!
「シャイナ様。竜は処女に拘りません。私が忘れさせてあげますよ。」
先に死ぬ生き物を愛しても、お辛いだけです。
ニイッと笑うその顔が怖い!
「お父さんお母さん、嫌です!」
「シャイナ様は人間として生きてこられたので、分からないのでしょう。」
アーサーの手が腕に食い込む。
「待て!」
「竜神様!」
突然、騒がしくなる。
竜を振り切って現れたのは、グランド様だった。
「グランド様!」
「竜神様!騙されてはなりません!」
グランド様は声を張り上げた。
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