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別れ R18
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大好き。
初めて会った時から。
幼い恋心はやがて熟れた片思いになって、こうして本当に結ばれるなんて考えたこともなかった。
「あ……」
羽を仕舞っている肩甲骨に彼のごつごつした手が触れて、ぞわぞわと背中に快感が走り、のけぞる。
「綺麗だよ。ティア。かわいい。」
鱗は取れたけど、僕はまだ自分に自信がない。
本当に綺麗とは思えないけれど、グランド様にとって可愛いければそれでいい。
グランド様の逞しい躰。
服を着ている時の印象より逞しい。
僕を見て潤んだ瞳。
この人と番いたい。
この人のものになりたい。
この人に僕の全てを捧げたい。
この人の子どもが欲しい。
蛇が尻尾を絡めるように足を絡ませて、淫靡に誘い込む。
「グランド様………っ。」
躰の内に、彼がくる。
圧迫感。
幸せな痛み。
すぐに痛みはとれて、内の肉は彼を引き込んだ。
はしたなく何度も子種をせがみ、熱が去って頭がクリアになる。
「愛しているよ、ティア。」
彼がつけてくれた名前。
幸せで
嬉しくて
何度もキスをして、甘く、彼に寄り添うように眠りに落ちた。
ティアと結ばれた。
竜は雌雄同体なのだと知った。
この腹に私の子が出来たのならば、なんて幸せなことか。
眠るティアを抱きしめて、髪を撫でた。
「人間と番ってしまわれたか……。」
「!」
低い声で辺りを見渡すと、空に黒い男が浮いている。
竜。
ティアの仲間?
「人間よ、引け!その君は畏れ多くも竜の主である竜神の子である!竜が人と番っても幸せになれぬ。」
だから、俺にその子を渡せ。
初めて会った時から。
幼い恋心はやがて熟れた片思いになって、こうして本当に結ばれるなんて考えたこともなかった。
「あ……」
羽を仕舞っている肩甲骨に彼のごつごつした手が触れて、ぞわぞわと背中に快感が走り、のけぞる。
「綺麗だよ。ティア。かわいい。」
鱗は取れたけど、僕はまだ自分に自信がない。
本当に綺麗とは思えないけれど、グランド様にとって可愛いければそれでいい。
グランド様の逞しい躰。
服を着ている時の印象より逞しい。
僕を見て潤んだ瞳。
この人と番いたい。
この人のものになりたい。
この人に僕の全てを捧げたい。
この人の子どもが欲しい。
蛇が尻尾を絡めるように足を絡ませて、淫靡に誘い込む。
「グランド様………っ。」
躰の内に、彼がくる。
圧迫感。
幸せな痛み。
すぐに痛みはとれて、内の肉は彼を引き込んだ。
はしたなく何度も子種をせがみ、熱が去って頭がクリアになる。
「愛しているよ、ティア。」
彼がつけてくれた名前。
幸せで
嬉しくて
何度もキスをして、甘く、彼に寄り添うように眠りに落ちた。
ティアと結ばれた。
竜は雌雄同体なのだと知った。
この腹に私の子が出来たのならば、なんて幸せなことか。
眠るティアを抱きしめて、髪を撫でた。
「人間と番ってしまわれたか……。」
「!」
低い声で辺りを見渡すと、空に黒い男が浮いている。
竜。
ティアの仲間?
「人間よ、引け!その君は畏れ多くも竜の主である竜神の子である!竜が人と番っても幸せになれぬ。」
だから、俺にその子を渡せ。
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