上 下
11 / 90

発情

しおりを挟む
夜が来て、空を飛んで、海を渡った遠くの島の森の中へ降り立った。

ここは気候がいい。

温暖で、木には美味しそうな果物がなっている。

周りの海の透明度は高く、色とりどりの魚が泳いでいる。



「はぁ…。はぁ。」

「大丈夫!!?」


体に触れると熱っぽい。



人気のつかない木陰に移動して、ティアを休ませる。

色々あったから、疲れがたまっているのだろうか。








なんだか、体がへん。

あつい。


ほしい。



グランドさま。





気が付けば、とろんとした目で、僕ははしたなくグランド様の頭を掴み、唇を貪ってしまった。


「っ、発情期??」

グランド様が驚いている。


そっかあ、発情期っていうんだ。

そうだよね、羽化したんだもの。大人の体になっているんだよね。



「私は少し離れておくからっ。ああ、それとも、手でなら、手伝った方がいいのか?なんにせよ、この状況下で流されたら君に申し訳―――


グランド様は、僕を欲しがってくれないの?



「僕、グランド様がすき。愛してる。グランド様に、されたい。」


「えっ。」


「僕、大きいし、かわいくないから、やっぱり、いや?」



ごくりとグランド様の喉がなった。


グランド様も僕が欲しいなら、すごく凄く、うれしい。







腕を伸ばして、招く。


夜の静かな波の音が、リズムよく響く。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】瀕死の剣士を助けたら、懐かれて『番』認定受けました。

華抹茶
BL
『最強の冒険者』として有名なメルヒオール。一人でいろんな所へと旅をして、立ち寄った街のギルドでドラゴン討伐に向かった冒険者が戻らないことを知る。この街の冒険者はドラゴンを倒せる人はおらず、メルヒオールは「それなら自分が行ってくる」とギルドを出た。 そしてドラゴンが現れたという場所へ行ってみれば、伝説のドラゴンである『エンシェントドラゴン』が一人の剣士を殺そうとしていたところだった。 メルヒオールはそのドラゴンを倒し、瀕死だった剣士を救ったことから懐かれてしまう。 瀕死だった剣士(童貞の歳下攻め)×最強の冒険者(ビッチの歳上受け) ●約7万字ほどの中編です。全22話。 ●特にR18シーンに印をつけたりしてないです。(そういうシーン多いので) ●最終話まで執筆済み

生まれてすぐ劣等種と追放された俺が他国の王子の番として溺愛されて幸せになるまで

竜鳴躍
BL
レノは劣等種のヒト族。冒険者だ。唯一人の肉親である母親は、『戦女神(ワルキューレ)』の称号を持つ大剣使いの冒険者だったが、レノが12の春にドラゴン討伐に向かって帰ってこなかった。 レノには母ほどの剣才はなかったが、その代わり俊敏さと魔法の才能があった。魔法剣士としてその日暮らし、自由気ままに人生を謳歌していた時、黒いローブの男に拘束される。愛を囁きながら調教する男はいったい何者なのか。そして、その男は、レノの本当の出自を知っていたのだ。 【令和4年3月13日改題しました】

召喚聖女が十歳だったので、古株の男聖女はまだ陛下の閨に呼ばれるようです

月歌(ツキウタ)
BL
十代半ばで異世界に聖女召喚されたセツ(♂)。聖女として陛下の閨の相手を務めながら、信頼を得て親友の立場を得たセツ。三十代になり寝所に呼ばれることも減ったセツは、自由気ままに異世界ライフを堪能していた。 なのだけれど、陛下は新たに聖女召喚を行ったらしい。もしかして、俺って陛下に捨てられるのかな? ★表紙絵はAIピカソで作成しました。

君のことが好きだから、えっちだけはしたくない!

バナナマヨネーズ
BL
五百五十歳になる大魔導士のノルンには悩みがあった。それは、ノルンが暮らすランブルド王国の王太子である、アーレスから熱烈な告白をされていることだ。ノルンもアーレスも、お互いが魂の番なのだと気づいていた。それでも、ノルンには、アーレスの思いを受け入れることが出来ないでいた。 五百三十歳も年下のアーレスを心の中では好きなノルンだったが、とある事情からそれを受け入れることが出来ないでいたのだ。 普段は、白髪白髭、その上、年老いた姿で暮らすノルンの真の姿を知らない周囲の者たちから、『枯れ専』『爺専』とアーレスのことを陰で笑うのだ。 それでもアーレスは、周囲のことなど関係ないとノルンに告白し続けるのだ。 これは、魂の番の二人が紆余曲折を経て心も体も結ばれる、そんな恋の物語。 本編全15話 ※お月様にも掲載しています。

【完結】聖女として召喚された挙句、仏頂面のイケメン騎士に溺愛される!?俺はオトコだ!!

りゆき
BL
トラウマ超絶美形スパダリ✕平凡青年との王道ラブロマンス!? 「聖女召喚に成功したぞ!!」 は!? ここはどこだ? 見知らぬ大広間に見知らぬ人々。 着ている服装も見慣れぬ服装ばかり。様々な髪色に瞳の色。明らかに日本人ではないと分かる人々。 そんな人々が声高らかに叫ぶ言葉。 せいじょ? せ、い、じょ? ん? ワァァァ!! と歓声が上がっていたかと思えば、その歓声は徐々に怪訝な表情と声へと変わった。 「…………せ、い、じょ?」 俺の台詞だ。 聖女ってなんだよ! 俺はオトコだー!! 聖女として間違えて召喚されてしまった俺。 どうすりゃ良いんだと、そのまま王宮で飼い殺し状態だが、 なんだか護衛騎士の超絶美形の男と仲良くなってきたと思ったら妙な方向に…… トラウマ持ち?の超絶美形スパダリ✕平凡青年との王道ラブロマンス!? ※全30話。毎日3回更新します。 ※R18回に印は入れておりませんのでご注意ください。 ※こちらの作品はムーンライトノベルズにて完結済。

異世界で大切なモノを見つけました【完結】

Toys
BL
突然異世界へ召喚されてしまった少年ソウ お世話係として来たのは同じ身長くらいの中性的な少年だった だがこの少年少しどころか物凄く規格外の人物で!? 召喚されてしまった俺、望月爽は耳に尻尾のある奴らに監禁されてしまった! なんでも、もうすぐ復活する魔王的な奴を退治して欲しいらしい。 しかしだ…一緒に退治するメンバーの力量じゃ退治できる見込みがないらしい。 ………逃げよう。 そうしよう。死にたくねぇもん。 爽が召喚された事によって運命の歯車が動き出す

【完結】お嬢様の身代わりで冷酷公爵閣下とのお見合いに参加した僕だけど、公爵閣下は僕を離しません

八神紫音
BL
 やりたい放題のわがままお嬢様。そんなお嬢様の付き人……いや、下僕をしている僕は、毎日お嬢様に虐げられる日々。  そんなお嬢様のために、旦那様は王族である公爵閣下との縁談を持ってくるが、それは初めから叶わない縁談。それに気付いたプライドの高いお嬢様は、振られるくらいなら、と僕に女装をしてお嬢様の代わりを果たすよう命令を下す。

【騎士とスイーツ】異世界で菓子作りに励んだらイケメン騎士と仲良くなりました

尾高志咲/しさ
BL
 部活に出かけてケーキを作る予定が、高校に着いた途端に大地震?揺れと共に気がついたら異世界で、いきなり巨大な魔獣に襲われた。助けてくれたのは金髪に碧の瞳のイケメン騎士。王宮に保護された後、騎士が昼食のたびに俺のところにやってくる!  砂糖のない異世界で、得意なスイーツを作ってなんとか自立しようと頑張る高校生、ユウの物語。魔獣退治専門の騎士団に所属するジードとのじれじれ溺愛です。 🌟第10回BL小説大賞、応援していただきありがとうございました。 ◇他サイト掲載中、アルファ版は一部設定変更あり。R18は※回。 🌟素敵な表紙はimoooさんが描いてくださいました。ありがとうございました!

処理中です...