王様との縁談から全力で逃げます。〜王女として育った不遇の王子の婚姻〜

竜鳴躍

文字の大きさ
上 下
74 / 87

国際会議とパーティー1

しおりを挟む
クリスタル帝国では、各国の要人を招く用意をしていた。

いよいよ、国際会議。

そして互いの親睦を深めるためのパーティーがある。

最近、名乗りを上げた魔物の国。

今回はその王が参加するという。

どの国も単純ではない思いを持って参加するはず。

魔物の国に何か瑕疵があれば、その後ろ盾である帝国もとやかく言われるだろう。

独り勝ち状態の帝国を内心よく思っていない国は、魔物の国を注視している。

「アルフォンス様!」
「やあ。」
「久しぶり。」

「ルピ! 皆様!」

他国より一日早く、ゴールド王国の王族が入国した。

「おとうたま!」
「陛下、サークレットさま」

そこへ、金色金瞳の幼女とアバロンが現れる。

「アバロンさま、体調は大丈夫?」

優しく話しかけるサークレットの目線。

アバロン様はまた、子を孕んでいる。


「オニキスの妃に誰を送るか、各国躍起になっているようですね。ですが、1番の候補はうちの娘でしょう。うちのセンティに美貌で勝てるものか!」

ルピが愛しいアバロンにキスをして、愛娘を抱き上げる。


確かに彼女は美しくなるだろうけど、顔で選ぶわけじゃないしなあ……。

それに、うちは同性婚が続いているから、娘がいる王族だけでなく、次男三男がいる王族も、はりきっているらしい。


ある程度素養とか必要事項はあるけど、最後はやっぱりオニキスに自分で選ばせてあげたいよ。

妃は一生の相棒だもの。



「そういえば、オフィリア様とアリステラ様は?」

サークレットさまが、あたりを見渡す。

「お母様はオニキスを見ていてくれています。」
転移しても、妖精なら追いかけられるので。という言葉を飲み込む。
暫くはあの子は監視付きなのだ。

「アリステラは。」

あの子はこの数年で腕を上げ、立派な軍人になりました。

今は、要人が集まるこの地に不穏な動きがないか、パトロールしてくれています。





「アリステラ隊長!」

豊かなボディラインを軍服で隠して。

白い肌に映える赤い口紅。

豊かな黒髪は襟足までの長さに。

ぱっちりした瞳に長いまつ毛。

時の精霊の祝福を受ける、王女アリステラ。


美貌の心優しい姫を望む縁談は多かったが、本人は自分の力を国のために役立てたいと、剣をとった。


離れた地で頑張るクロウに負けないように。

大好きな両親のため。
弟のため。

「今のところは異常はないわね。」


笑うと、周囲が華やかになる。

彼女を守りたくて、近くにいたくて、軍人になる貴族の男子も多い。 


「最後まで気を抜いてはだめよ!」

「イエス、マム!!」
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

某国の皇子、冒険者となる

くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。 転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。 俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために…… 異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。 主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。 ※ BL要素は控えめです。 2020年1月30日(木)完結しました。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

処理中です...