王様との縁談から全力で逃げます。〜王女として育った不遇の王子の婚姻〜

竜鳴躍

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嵐の姑

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「怖いよ、怖いよお。助けて、オフィリア!」

「知りませんよ。お父様!覚悟の上なんでしょ!」

ルピの両親が来る。
きっと、私のことをうんと年上の癖に息子をたらしこんだふしだらな男だと思っているんだ!!

「ルピの両親はどんな感じなんだ? 面識はあるんだろう?!」

「お父様のダラ=ゴールド様は威厳があって、思慮深く、それでいて判断できる方よ。外交や大事な局面でミスをしたことは無いわ。お母様のサークレット=ゴールド様は、年上の奥様。穏やかな物腰の優しい方よ。でも、そういう方のほうがいざとなれば怖そうよねえ。」

「ヒイイ!」



「大丈夫。来てしまうものは仕方ありません。私がついています。アバロン。」


「るぴい~。」
 
もうどうしようもない。
ルピはアバロンを宥めながら、どうやって母親を説得しようか、グルグル考えていた。

アバロンが嫁いびりにあうのは、ある程度決定事項。

母親から自分が守らなくては。






「うふふ。もう少しで帝国につきますわね、あなた。」


帝国への船の上。


笑顔の妻が怖い。


私が20歳の時。32歳になっていたサークレットを見初めて、反対を押し切り結婚した。

跡継ぎを。
たくさんの王子を。

あなたが産めるのか?

散々、彼女も姑にいびられたし、そのことで彼女の盾になった私に申し訳なく思っていたのを知っている。

彼女は公爵令嬢だったが、跡取りになる弟が幼く、若く適齢期だった頃に両親を亡くして繋ぎの女領主になったせいで、行き遅れていた。


その健気さに私は惚れたのだ。

一報を聞いて。

私は、息子も年上好みだったか~、と好意的に受け止めた。

だが、彼女はそうでなかった。


息子には、誰だって苦労してほしくない。

王妃の仕事が物理的に出来ない、アルフォンスの祖父。

若くみえても、祖父。


彼女は、アバロン様を認められないのだ。

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