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アバロン魔物に襲われる・後編
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「くっくっくっ…。ようやく見つけましたよ。おいしそうな匂い。間違いない、この城に濃いいい香りがある。これは確かに他の者には渡せないですね。」
城の上空には、魔王の刺客が浮いていた。
青白い顔に真っ青な髪の毛が逆立ち、眼球は赤く、唇にも紅が引かれているかのように赤い。
魔王軍のNO.2をしている男は、闇と風の魔術を使う槍使いで、魔王から賜った銀の槍を手に城の中の気配を探っていた。
この城には、ただの人間ではない、上質な肉が多くあるようだ。
これだけ上質な肉があるならば、一匹くらい自分が食べてしまってもばれないのではないか。
だが、NO.2でも魔王のしもべ。裏切らないよう、首には発信機や音を収集する機能のついた首輪ががっちりと嵌められ、しもべは絶対に裏切れない。
もし、万が一、自分自身が獲物を齧ろうとしようものなら、歯を立てる前に殺される。
そういう魔法も仕組まれている。
魔王にはムカつくけれど、逆らわないのが賢明。
「くんくん!敵襲だっ!」
クロウが叫ぶ。
「魔物が狙ってきましたか!」
ユンスは急いで軍部に連絡を回した。
「魔物か…!」
重い体を起こして、気配を探る。
連絡をしたユンスは剣に手をかけながら、俺の体を支えてくれた。
エマージェンシーコールが城中に響く。
「魔物が来たか!」
執務室にいたキールとルピは、部屋を飛び出す。
「ルピ、お前はどこかへ隠れていろ!」
「大丈夫気を付けるから。私だって、一国の王太子として教育を受けています。水の魔法も使えますし、相手の属性によっては役に立てるかもしれない。後方支援に徹しますから。」
「お父様は飛んで火にいる夏の虫ですよ、精霊、特に精霊王だって相手にはごちそうなんです。精霊界に戻っていてください。私も精霊になって身を隠します。」
「あ、あぁ…。」
「いたぞ!」「あそこだ!!」
「ん?有象無象がわらわらと…。」
帝国の軍人たちが、上空にいる魔物を見つけて騒ぎだした。
あんなもの、一瞬で…。
槍を握りしめ、回転させて突風で切り刻むーーーーーーー。
「!!?」
カキィンと弾かれる音がして、風は自分へ跳ね返った。
「どういうことだ?」
みれば、バルコニーの奥でお腹の大きな人間から魔力を感じる。
大人数にバリアを張ったらしい。
なるほど、あれか。
「見つけましたよお!あなたを魔王様の下へ…!!!」
「渡さないぞ!」
鋭い剣撃が走る。
「!!!」
勢いよくこの高さまで跳ね上がって来た白銀の影。
耳と尾を持つ、魔狼の進化種、神狼。
なんで上位種がどうしてここに!
人間の服を着て、人間の武器を持って。なぜ!
「ははあ、あなたさては、真っ先にここに辿り着いたのに負けおおせて僕になったのでしょう。魔物ともあろうものが、恥ずかしい!」
「恥ずかしくない!俺は魔王になるんだっ!」
「片腹痛い。私は魔王軍No.2の男、シュバルツ。あなたのような恥は私が始末しましょう。」
シュバルツは槍を構え、クロウは刃渡りの短い剣を二本、爪のように構えた。
「アルフォンス!無事か!」
キールとルピが駆けつける。
「クロウが頑張ってくれています。上空の戦いなので、軍はなかなか手が出せません。うっかりするとクロウに当たってしまうので…。」
「うちの子、すごいでしょ?」
ここまで頼りになる存在になるとは。
アルフォンスの目が確かだったということか。
敵の男は、槍をすごい勢いで繰り出している。
しかし、クロウは全て見切っているようだ。
速度はクロウが上。だが、それは相手も分かっているはず。
槍を繰り出しながら、右手に魔力を集めているのが見える。
「切り刻め、暴風!」
「くぁっ!」
クロウを巻き込むように竜巻が現れ、地上も風で吹き飛ばされそうになる。
バリアを張っていてよかった。
「ふふふ、お前たちは猪突猛進のお馬鹿さん。この距離じゃ、まともにダメージを受けただろう!?」
三日月のような目を細めて、風が過ぎた後のボロボロになった狼をイメージしながら期待する。
「!!!」
しかし、そこにクロウはいなかった。
シュバルツの背後、さらに斜め上に現れたクロウは、剣を構えて、背後から深く切り裂いた。
「ウガアアアアアアアアアア!!!」
ズガアアン!と、地上に堕とされる。
「詠唱が遅い!NO.2ってこんなもんだったの?」
「ばかなっ、お前にこんな知性が…!」
傷つき、目が霞む。
かくなる上は…。すこし、すこしだけ。
土煙に紛れて動けないからだから影<分身>を伸ばし、城の中の獲物を目がける。
ふふふ。誰も気づいていない。
あの、大きなおなかの人間の背後までまわり、影の姿で口を開ける。
すこしだけ、いただきます…。
「アルフォンス!!!!!!!!」
「えっ!」
アルフォンスが振り返ると、
そこにはアルフォンスの危機にたまらず精霊界から飛び出した、アバロンがいて。
肩の肉を齧られてオレンジ色の樹液のような血を流して倒れていた。
「おとうさま!」
たまらずお母さまも現れる。
「アバロン!」
驚いたルピが駆けよって、お父様を守るように立ち、影を剣で斬り裂いた。
影は、目的は果たしたとしゅるしゅるとあの魔物に戻っていく。
「おおおおお…。この力は。素晴らしい!間違って齧ってしまったが、十分だ!」
漲る力に、魔物は雄たけびを上げている。
「キール、精霊王に回復魔法はかけられそうなの?」
「やってみるが、もしかしたら生命の樹は特殊だからうまくいかないかもしれない。」
「やってみて。俺は、ちょっと怒っちゃった。」
軍部のみんなにシルフィの羽をつけ、仲間全員にバリア、速度上昇。
そして、あいつをドリアードの蔦で拘束。
一瞬で同時に展開。
「!!!力がみなぎる! 翼!これならやれるっ!」
将軍、副将軍。軍部の皆さんがクロウと一緒にあいつに向かう。
「!?なんだ、この蔦は! なぜ、飛べるっ!なぜ!なぜ!!!!」
クロウの剣に雷を。
将軍の剣に炎を。
副将軍の剣に毒を。
同時発動!
「「「絶対に倒す!!!」」」
「ぎゃああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
そんな、ばかな… そういいながら、魔王の名を叫び、魔物は塵になって消滅した。
「アバロン!アバロン!!」
ルピが胸に抱き、必死で呼びかける。
「ああああ、大変。回復が追いつかないわ!このままでは死んじゃう!お父様自身の生命力ももっと上げないと!」
「どうすれば助かるの!」
ルピの目に、オフィリアは決心した。
今はあれこれ言っている場合ではない。
もう、覚悟を決める時なのだ。
「愛情が精霊の栄養になるの。お父様はあなたを愛しているわ。お父様に愛を。」
ルピは、その言葉に、愛しい人を見て口づけをした。
「愛しています、アバロン。立場など考えられないくらいに。大丈夫、恐れないで。二人できっと、うまくいく方法を考えれば見つかります。何でもするし、何でも我慢します。だから、頑張って。」
ルピの体が青く光った。
ルピの持つ、水属性の魔力に乗って、彼の気持ちがアバロンの葉脈から吸収されていく。
回復魔法が体をめぐって、そして、アバロンは目を覚ました。
城の上空には、魔王の刺客が浮いていた。
青白い顔に真っ青な髪の毛が逆立ち、眼球は赤く、唇にも紅が引かれているかのように赤い。
魔王軍のNO.2をしている男は、闇と風の魔術を使う槍使いで、魔王から賜った銀の槍を手に城の中の気配を探っていた。
この城には、ただの人間ではない、上質な肉が多くあるようだ。
これだけ上質な肉があるならば、一匹くらい自分が食べてしまってもばれないのではないか。
だが、NO.2でも魔王のしもべ。裏切らないよう、首には発信機や音を収集する機能のついた首輪ががっちりと嵌められ、しもべは絶対に裏切れない。
もし、万が一、自分自身が獲物を齧ろうとしようものなら、歯を立てる前に殺される。
そういう魔法も仕組まれている。
魔王にはムカつくけれど、逆らわないのが賢明。
「くんくん!敵襲だっ!」
クロウが叫ぶ。
「魔物が狙ってきましたか!」
ユンスは急いで軍部に連絡を回した。
「魔物か…!」
重い体を起こして、気配を探る。
連絡をしたユンスは剣に手をかけながら、俺の体を支えてくれた。
エマージェンシーコールが城中に響く。
「魔物が来たか!」
執務室にいたキールとルピは、部屋を飛び出す。
「ルピ、お前はどこかへ隠れていろ!」
「大丈夫気を付けるから。私だって、一国の王太子として教育を受けています。水の魔法も使えますし、相手の属性によっては役に立てるかもしれない。後方支援に徹しますから。」
「お父様は飛んで火にいる夏の虫ですよ、精霊、特に精霊王だって相手にはごちそうなんです。精霊界に戻っていてください。私も精霊になって身を隠します。」
「あ、あぁ…。」
「いたぞ!」「あそこだ!!」
「ん?有象無象がわらわらと…。」
帝国の軍人たちが、上空にいる魔物を見つけて騒ぎだした。
あんなもの、一瞬で…。
槍を握りしめ、回転させて突風で切り刻むーーーーーーー。
「!!?」
カキィンと弾かれる音がして、風は自分へ跳ね返った。
「どういうことだ?」
みれば、バルコニーの奥でお腹の大きな人間から魔力を感じる。
大人数にバリアを張ったらしい。
なるほど、あれか。
「見つけましたよお!あなたを魔王様の下へ…!!!」
「渡さないぞ!」
鋭い剣撃が走る。
「!!!」
勢いよくこの高さまで跳ね上がって来た白銀の影。
耳と尾を持つ、魔狼の進化種、神狼。
なんで上位種がどうしてここに!
人間の服を着て、人間の武器を持って。なぜ!
「ははあ、あなたさては、真っ先にここに辿り着いたのに負けおおせて僕になったのでしょう。魔物ともあろうものが、恥ずかしい!」
「恥ずかしくない!俺は魔王になるんだっ!」
「片腹痛い。私は魔王軍No.2の男、シュバルツ。あなたのような恥は私が始末しましょう。」
シュバルツは槍を構え、クロウは刃渡りの短い剣を二本、爪のように構えた。
「アルフォンス!無事か!」
キールとルピが駆けつける。
「クロウが頑張ってくれています。上空の戦いなので、軍はなかなか手が出せません。うっかりするとクロウに当たってしまうので…。」
「うちの子、すごいでしょ?」
ここまで頼りになる存在になるとは。
アルフォンスの目が確かだったということか。
敵の男は、槍をすごい勢いで繰り出している。
しかし、クロウは全て見切っているようだ。
速度はクロウが上。だが、それは相手も分かっているはず。
槍を繰り出しながら、右手に魔力を集めているのが見える。
「切り刻め、暴風!」
「くぁっ!」
クロウを巻き込むように竜巻が現れ、地上も風で吹き飛ばされそうになる。
バリアを張っていてよかった。
「ふふふ、お前たちは猪突猛進のお馬鹿さん。この距離じゃ、まともにダメージを受けただろう!?」
三日月のような目を細めて、風が過ぎた後のボロボロになった狼をイメージしながら期待する。
「!!!」
しかし、そこにクロウはいなかった。
シュバルツの背後、さらに斜め上に現れたクロウは、剣を構えて、背後から深く切り裂いた。
「ウガアアアアアアアアアア!!!」
ズガアアン!と、地上に堕とされる。
「詠唱が遅い!NO.2ってこんなもんだったの?」
「ばかなっ、お前にこんな知性が…!」
傷つき、目が霞む。
かくなる上は…。すこし、すこしだけ。
土煙に紛れて動けないからだから影<分身>を伸ばし、城の中の獲物を目がける。
ふふふ。誰も気づいていない。
あの、大きなおなかの人間の背後までまわり、影の姿で口を開ける。
すこしだけ、いただきます…。
「アルフォンス!!!!!!!!」
「えっ!」
アルフォンスが振り返ると、
そこにはアルフォンスの危機にたまらず精霊界から飛び出した、アバロンがいて。
肩の肉を齧られてオレンジ色の樹液のような血を流して倒れていた。
「おとうさま!」
たまらずお母さまも現れる。
「アバロン!」
驚いたルピが駆けよって、お父様を守るように立ち、影を剣で斬り裂いた。
影は、目的は果たしたとしゅるしゅるとあの魔物に戻っていく。
「おおおおお…。この力は。素晴らしい!間違って齧ってしまったが、十分だ!」
漲る力に、魔物は雄たけびを上げている。
「キール、精霊王に回復魔法はかけられそうなの?」
「やってみるが、もしかしたら生命の樹は特殊だからうまくいかないかもしれない。」
「やってみて。俺は、ちょっと怒っちゃった。」
軍部のみんなにシルフィの羽をつけ、仲間全員にバリア、速度上昇。
そして、あいつをドリアードの蔦で拘束。
一瞬で同時に展開。
「!!!力がみなぎる! 翼!これならやれるっ!」
将軍、副将軍。軍部の皆さんがクロウと一緒にあいつに向かう。
「!?なんだ、この蔦は! なぜ、飛べるっ!なぜ!なぜ!!!!」
クロウの剣に雷を。
将軍の剣に炎を。
副将軍の剣に毒を。
同時発動!
「「「絶対に倒す!!!」」」
「ぎゃああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
そんな、ばかな… そういいながら、魔王の名を叫び、魔物は塵になって消滅した。
「アバロン!アバロン!!」
ルピが胸に抱き、必死で呼びかける。
「ああああ、大変。回復が追いつかないわ!このままでは死んじゃう!お父様自身の生命力ももっと上げないと!」
「どうすれば助かるの!」
ルピの目に、オフィリアは決心した。
今はあれこれ言っている場合ではない。
もう、覚悟を決める時なのだ。
「愛情が精霊の栄養になるの。お父様はあなたを愛しているわ。お父様に愛を。」
ルピは、その言葉に、愛しい人を見て口づけをした。
「愛しています、アバロン。立場など考えられないくらいに。大丈夫、恐れないで。二人できっと、うまくいく方法を考えれば見つかります。何でもするし、何でも我慢します。だから、頑張って。」
ルピの体が青く光った。
ルピの持つ、水属性の魔力に乗って、彼の気持ちがアバロンの葉脈から吸収されていく。
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