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うきうきうきうき
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「でねぇ、お父様!アルフォンスったら自分の赤ちゃんを食べに来た狼を可愛いからって、てなづけちゃったのよ!」
久しぶりに精霊界にやってきた娘は、ぐちぐちと自分の息子の愚痴を言っている。
「そうか。」
悪いけど私はそれどころじゃない。
そもそも、大胆な手だとは思うが、アルフォンスがやったことは長期的に見て悪くないと思う。
その子狼を可愛がって、子狼が本当にアルフォンスたちを大事に思う頃に彼を魔王にすることができれば。
長年の魔物との諍いもおさらばだ。
どこの種族にも悪い奴はどうしてもいるもので、多少は悪い魔物が出るだろうが、各段に減るだろうし。
おっと、そんなことよりルピが来る。
準備しなきゃ。
ルピと遊ぶための洋服もいくつか欲しい。
人間界で買い物をするのなら、人間の金がいるな。
エリクサーでも作って持って行ってやったら売れるだろうか。
「もお!お父様は恋する乙女ね! 私知らないわよ!人間の王子に恋してどうするのよ!あの子は一人っ子だし、お父様の根っこは加護に紐づいているんだから、精霊王のまま彼のところへは嫁げないのよ?」
そんなことわかってる。
でも、なんか会えない時間が恋を育ててしまった。
ルピに会いたい。
お話したい。
ルピはたぶん、私を愛してくれているけど、アルフォンスの代わりなのかもしれない。
そう思うとつらいけど。
代わりでいいから。
「精霊王は、生命の樹の精霊しかなれないのよ。私は桜の花の精霊だし?お父様の次の生命の樹の精霊って育ってたかしら…。」
しってる。
生命の樹は私の他には、今、キールしかいない。
じゃあキールを精霊王にするかというと、人間の国王にそれを頼むのは厳しいだろう。
「いっそ加護を与えられればいいのよね。ルピに。加護がある者がいれば紐づけられるし、精霊界を結ぶことができるじゃないの。」
うーーーーーーん。我が娘よ、そうはいっても
結婚したいから加護を与えますってのも、どうかと思う。
それに、ルピは友人であって。
ルピの気持ちを聞いたわけでもないし。
久しぶりに精霊界にやってきた娘は、ぐちぐちと自分の息子の愚痴を言っている。
「そうか。」
悪いけど私はそれどころじゃない。
そもそも、大胆な手だとは思うが、アルフォンスがやったことは長期的に見て悪くないと思う。
その子狼を可愛がって、子狼が本当にアルフォンスたちを大事に思う頃に彼を魔王にすることができれば。
長年の魔物との諍いもおさらばだ。
どこの種族にも悪い奴はどうしてもいるもので、多少は悪い魔物が出るだろうが、各段に減るだろうし。
おっと、そんなことよりルピが来る。
準備しなきゃ。
ルピと遊ぶための洋服もいくつか欲しい。
人間界で買い物をするのなら、人間の金がいるな。
エリクサーでも作って持って行ってやったら売れるだろうか。
「もお!お父様は恋する乙女ね! 私知らないわよ!人間の王子に恋してどうするのよ!あの子は一人っ子だし、お父様の根っこは加護に紐づいているんだから、精霊王のまま彼のところへは嫁げないのよ?」
そんなことわかってる。
でも、なんか会えない時間が恋を育ててしまった。
ルピに会いたい。
お話したい。
ルピはたぶん、私を愛してくれているけど、アルフォンスの代わりなのかもしれない。
そう思うとつらいけど。
代わりでいいから。
「精霊王は、生命の樹の精霊しかなれないのよ。私は桜の花の精霊だし?お父様の次の生命の樹の精霊って育ってたかしら…。」
しってる。
生命の樹は私の他には、今、キールしかいない。
じゃあキールを精霊王にするかというと、人間の国王にそれを頼むのは厳しいだろう。
「いっそ加護を与えられればいいのよね。ルピに。加護がある者がいれば紐づけられるし、精霊界を結ぶことができるじゃないの。」
うーーーーーーん。我が娘よ、そうはいっても
結婚したいから加護を与えますってのも、どうかと思う。
それに、ルピは友人であって。
ルピの気持ちを聞いたわけでもないし。
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