王様との縁談から全力で逃げます。〜王女として育った不遇の王子の婚姻〜

竜鳴躍

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盗賊団

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クロノス王国に加護は戻ったが、一度荒れた地にわざわざ人は帰らない。

ましてや、王の居なくなった城はまだ整理できていないのだから。

根城にする盗賊団のボスは、かつての王妃の提案に、舌舐めずりをした。

変わった術を使う王と加護を持つ母親の間の子は、もしかしたら、誰もが喉から手が出るほど欲しい力を持って、産まれてくるかもしれない。


それに、いるだけで加護をもたらす妃もいい。


今度の子がそうでなくても、孕める腹になった彼は、いつかは次の加護持ちを産むだろう。


マルシェ妃からは、ルピ王子共々駆け落ちの末の自殺に見せかけて殺すように言われているが、勿体ない。


王子は殺して、妃は辱めて拘束しよう。


彼は男だけど、美しい。


きっと、彼も子どもも高く売れるだろう。


マルシェ妃からの連絡どおり、夜の帳の中、ルピ王子は妃を抱き抱えて現れた。


「さあ、逃してあげますよ。先ずは、ゴールド王国に向かう前に、隠れ家へ向かいましょう。」


腕の中の美しい人は眠っている。

「ああ、ありがとう。」

馬鹿なルピ王子は、礼を言う。


ボスは、これ程美しいなら、暫く愉しめそうだと、独り言ちた。
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