王様との縁談から全力で逃げます。〜王女として育った不遇の王子の婚姻〜

竜鳴躍

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プルミエ

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なんで私がこんな目に合わなきゃいけないの。

国は荒れ果て、誰もいなくなった。
今では、ゴロツキがねぐらにするくらい。

決まっていた輿入れ先からは、断わりの封書が来て。

親しくしていた人達もみんな離れていて行った。


あんたは、ヒロイン。
私は、悪役。


誰も彼もが逃げた国で、なんで私が洗濯したりご飯作らなきゃいけないのよ。


憎い。


お父さまの気持ちが分かる。


綺麗事ばかり言って、いい人ぶって。

許せない。


まるで私が極悪人みたいじゃないの。
私はあなたの引き立て役じゃないのよ!



あいつは式から逃げたけど、帝国には行っていると思った。

冒険者をしていたらしいから、冒険者ギルドに当たりをつけたら、ビンゴだわ。


出てきたあいつに刃を突きつける。




「あなたのせいで、私はおしまいよ!」

プルミエ…!!

無詠唱で防御壁を発動し、同時にドリアードの蔦で、彼女の腕を掴んだ。

「くぅ……ッ!!」

「ごめん……!でも、こんなことしたら、余計だめだよ!!」

犯罪者になってしまったら、余計に破滅する。

彼女は、悔しそうに俺を睨むと……。

ニヤリと歪んだ笑いを浮かべた。



後頭部に衝撃を感じ、暗転する。



遠くで、プルミエの兄の王太子の笑い声が聞こえた。
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