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「残念だよ、マーズ。君には更生の機会をたくさんあげたのに。今回もこんなことをするんだね。」
ガイア様は無表情で、口元は笑っていて、目が怖い。
優しい口調なのに感情が籠っていない声。
「……………く、は」
歯列をガタガタ言わせて、マーズはガイア様を見たまま、瞬きをせずに震えている。
スッとガイア様の手がマーズの頭にのびた。
「マーキュリーへの付き纏い、媚薬も飲ませようとした。アースへの嫌がらせ、体が成長出来ない呪いをかけ、そして、事故に見せかけて故意に異世界へ落とし、異世界の中では自分のアバターを手配し、転生したアースが不幸になるように仕向けた。自ら死を選び、できれば永遠にこちらへ帰って来ないように。」
「は…………。はっ」
マーズはもう言葉がうまく出てこない。
「どうしてお前はそうなのかな。相手の気持ちも考えずに何を排除してでも、狙った相手を自分のものにしようとする。邪悪な魂だ。」
ガイアの手が光に包まれる。
「ガイア様!僭越ながらもう少しお待ちください。」
「どうして邪魔をする?」
マーキュリーの行いにガイアは首を傾げた。
「アースの呪いを解かせなければなりません。あれはかけた相手が解かなければ解けません。今、こいつが消滅したり、力を失ったら………。」
「こいつはもうだめた。私はもう諦めた。早く処罰したい。こいつは色仕掛けで仲間を作る能力は高い。面倒くさいことになる前に始末する必要がある。」
「あと少し……!」
マークはやってくれた。
できればやりたくなかった。
幸せな人生を送らせて、こちらに帰したかった。
だけど、処罰の時が来たから。
アース!
早く帰ってこい!
ガイア様は無表情で、口元は笑っていて、目が怖い。
優しい口調なのに感情が籠っていない声。
「……………く、は」
歯列をガタガタ言わせて、マーズはガイア様を見たまま、瞬きをせずに震えている。
スッとガイア様の手がマーズの頭にのびた。
「マーキュリーへの付き纏い、媚薬も飲ませようとした。アースへの嫌がらせ、体が成長出来ない呪いをかけ、そして、事故に見せかけて故意に異世界へ落とし、異世界の中では自分のアバターを手配し、転生したアースが不幸になるように仕向けた。自ら死を選び、できれば永遠にこちらへ帰って来ないように。」
「は…………。はっ」
マーズはもう言葉がうまく出てこない。
「どうしてお前はそうなのかな。相手の気持ちも考えずに何を排除してでも、狙った相手を自分のものにしようとする。邪悪な魂だ。」
ガイアの手が光に包まれる。
「ガイア様!僭越ながらもう少しお待ちください。」
「どうして邪魔をする?」
マーキュリーの行いにガイアは首を傾げた。
「アースの呪いを解かせなければなりません。あれはかけた相手が解かなければ解けません。今、こいつが消滅したり、力を失ったら………。」
「こいつはもうだめた。私はもう諦めた。早く処罰したい。こいつは色仕掛けで仲間を作る能力は高い。面倒くさいことになる前に始末する必要がある。」
「あと少し……!」
マークはやってくれた。
できればやりたくなかった。
幸せな人生を送らせて、こちらに帰したかった。
だけど、処罰の時が来たから。
アース!
早く帰ってこい!
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