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邪魔なあの人~マーズ視点~

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ピンクゴールドの甘い髪に大きなペリドットの瞳。
魅惑の唇。

僕は魅力的だって、誰もが言う。


最近、僕らの一族は生まれない。
元々、神族は確かに生まれにくい。

だから、僕みたいに親が不明の者も大事に育ててもらえる。

両性具有の神同士、くっついて子を産んで、その子は親から世界の管理を引き継ぐけれど、最近じゃ神が足りなくて両親それぞれの世界を引き継ぐケースもある。

そんなに神が足りないなら、僕がいっぱい産んであげてもいいけど?


大体、神が足りなくなるのは、馬鹿な奴のせいでもある。

ただでさえ足りないって言うのに、邪神になった奴が創造神の資格をはく奪されるからだ。



いったい、何をやって邪神に堕ちたのか知らないけど。

でもだからこそ、だよね。親がいない僕でも世界が与えられるんだから。


この世界の広場へ行くと、高い檻に囲まれた通称『鳥かご』という牢がある。
みすぼらしくそこに座ってこちらを眺めている者は、神としての美貌も失い、虚ろな目でこちらを見ている。


たった2歳違うだけで、幼馴染の座を獲得できなかったマーキュリーは、クールでカッコよくて、美しく、優秀だ。
こんな素敵な人こそ僕に相応しい。
きっと彼は素敵になるはず、と幼いながらも確信したあの日。

邪魔なあいつに呪いをかけた。


でもね、ふふ、バレてないよ?僕がやったなんて、ね。




永遠に幼いままでいてよ。
マーキュリーはその間に僕がもらうね。

だってその躰じゃ夜の相手は無理だから。



それなのに、マーキュリーはちっとも僕を見てくれない。



だから僕は、彼の部屋の足場をツルツルにして、彼を世界に落としたんだ。




さぁ、君はその世界で苦しむんだよ。


ずたずたのボロボロにされてしまえばいい。




あははっ。



凄惨な人生を送って、帰って来たころには僕はマーキュリーの子どもを5人くらいは産んでいるかもね?

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