貧乏伯爵の三男（勇者？）は潜伏魔王に嫁ぐ

臭い物には蓋をせずに早めの対処を心がけよう２

「お兄さまはやはり王にはならないのですか？やはりアンリお兄様の方が

しっ、と旦那様は人差し指でトロン殿下の唇を閉ざした。




「愛する人と辺境で暮らしたいんだ。トロン陛下のためだったら働くよ。支えるから立派な王になりなさい。」

「ありがとうございます。」


「ねえ聖剣さん。人間の心からはどうしても悪い心はなくならないんだろ？」



『そうだな。多かれ少なかれ、悪い心は皆にある。』


ふーん。それならそもそも王子を一人生贄にしたら大丈夫って考えがもうダメじゃん。
一人だけ辺境に閉じ込めたところで、あっちこっちに発生する可能性はあるよね？

身分問わず誰が魔王になってもおかしくないわけでしょ！



むしろこまめな浄化！
心の闇を産まないような健全な施策にケア！

ばっかじゃないの！



怒りのまま地下牢から陛下を引きずり出して説教かましたら、泣いてトロン殿下に譲位した。



ああ、なんかイライラするぞ！




後のことはトロン殿下とカリナ様にお任せして、辺境に帰ろ。