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勇者と魔王パーティ

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「トロン殿下を旗頭に!今、王都は真の魔王に乗っ取られている!宿主はドゥーブル殿下だ!我が辺境伯こそ正義!こちらに勇者はいる、それが何よりの証!行くぞー!」

鎧姿のセバスティアンさんが叫ぶ!


旦那様は黒い馬に乗って、俺を前に乗せた。

俺の腰には聖剣さん。

『ふふふっ、我の活躍の気配!』

「頼りにしてるよ、ジルも聖剣も。」


「ふふ、魔王なのに変なの。」


「魔王であって魔王じゃないからな。私の魔王は完全に制御下だったし、能力を私に残してやがて消える。オッドアイじゃなくなるのが残念だ…。」

「まだそこ拘ってたの?そんなにいいなら魔法でその色に変えてたら…?」

「それはいいな。………そういえば魔王と勇者が夫婦というのは萌えポイントだと思うのだが。私の角はどう思う?魔王じゃなくなっても生やしたほうがやはりカッコイイだろうか。」

「まったくもー。」



夕べもいちゃいちゃしたから、俺の首筋は絆創膏だらけ。

早く帰って、また平穏な暮らしがよい。

実家のレンコンとかレンコン料理とかレンコンスイーツとかを世間のみなさまにPRして。
辺境伯家も実家もお金持ちに!
領地もハッピーになるんだから!



「それでは転移します。トロン殿下とカリナ嬢は私たちから離れないで。シトリンと私で必ずお守りします。」

「ありがとうございます。よろしくお願いいたします。」

ツァイ兄はカリナ嬢と知り合いなのかわからんけど、ちょっとカリナ嬢にびびってた。
なんでだろ。いい子だろ。
大人しく辺境伯領で待つことも出来たのに、あいつをぶっ飛ばしたい&トロンと一緒に戦いたいってついてきてるんだから。
知らなかったけど、とお~い親戚らしいし。
俺たちも無鉄砲で言うこときかないところあるから、一緒かもな。

俺も、旦那様と戦いたいし、旦那様を守りたい。


回復魔法がそこそこ得意らしいから、後方支援で頑張ってもらおう。




さて、魔王退治といきますか。










――――――――そう思って城へ。

ドゥーブルがいるだろう玉座の間へ直接転移したのである。


「!!!アンリ殿下ッ!」

「た、お助けください!」


「こらぁああ!お前たち!どうしていうこときかないんだ!処刑しろっていっただろー!!もういい、おまえたちも、みんな、みいいいんな処刑だ!!!!わはははは!!!!!」

逃げ惑う兵士たち。


卑猥なメイド服をきせられた侍女の皆様たち。


洗脳された兵士とどう戦おうか、聖剣の出番か!!と思ってたけど、あまりの残虐さに解けていたようだ。


「おお、ジルコニア嬢!そのような姿でも美しい!」


「きっしょ。俺はお前なんかだいっきらいだね。早く帰って旦那様と子づくり頑張るんだから、早く決めちゃうよ。」




ツァイ兄たちは、俺と旦那様を残して、皆の手当てと保護に走る。

みんな無事に、なんとか辺境伯領に移さないと。

どんなに結界を重ねても、不安が残るから。


「いくぞ、ジル。」

「うん、聖剣もいくよ。」

『うむ!』


旦那様の瞳がオッドアイに変わり、角が生える。

うん、かっこいい。

俺は聖剣を構えた。


こてんぱんにしちゃうぜ!

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