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消毒

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「消毒しよう、ジル。」

「それは夫である私がやる!いいかげんクンツァイト義兄さんも弟離れをしてください!お父さんだって式であんなに泣いていたのに、我慢してるんだから!せめてシトリン義兄さんくらいに!」

「しょーがないでしょう!父はあんなんだし母は亡くなって、シトリンはジルと2つしか違わないからあまり覚えていないかもしれないけれど、ジルの母親代わりは私なんだから…!」


「ツァイ兄もシトリン兄もいい加減誰か良い相手見つけなよってのは、確かに思うな。せっかくモテるんだし、今なら経済的にも問題ないんじゃ――――――――――。」


「当主命令である!私とジルは今からいちゃいちゃするんだ!消毒だっ!レドモンド、湯あみの準備だ!風呂を沸かせ!レモネ、ブルース!お客様にお土産を渡してお帰りいただけ!」


えっ?



ピンク色のふわふわとした重いドレスを着た俺を両腕で抱きかかえ、わき目もふらず走る。

えーっ、意外と体力とか腕力ある…。




「気持ち悪かっただろう、ジル。」

旦那様は俺のドレスを脱がせると、部屋の床に投げ捨てて浴室へ直行する。


「え、え?旦那様、服脱がないの?」

「ジルを洗うだけだからいいんだ。裸になったら我慢できなくなるし…!」


変態だけど紳士なんだよな…。


手をきれいに洗ってくれて、キスしてくれて。

考えたらあいつのことはキショかったけど、旦那様は別に平気だな…。

変態だけど許せちゃう…。


本当に俺を愛してくれているからなのかな…。




「あ、あのな。だんなさま。俺、だんなさまならいいよ。」


がっしゃんとシャワーヘッドを落として、湯があちこちに飛ぶ。

旦那様もずぶぬれ。




そんなに驚くこと?

むしろ長いこと返事待たせたんじゃない?

俺は旦那様の妻なのに。



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