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気持悪いゴリラ

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え、えぇ~~~!

コレ、アレだよね!俺にもついてるアレだよね!

旦那様がゴリラに見える魔法なんか使うから、知らないやつが混じってるの分からなかったじゃん!

誰だよこのゴリラ!
きしょ!

きっしょ!


はぁはぁ鼻息荒っ!目が血走ってる!


残念だったな、俺もオトコなんだぜ!って俺も触らせればいいのか?!

でも男バレしたらまずいんだろ、多分…。

戸籍嘘ついてるんだし…。


と、とりあえず…


「た、たすけてぇー!!」




「「「じるぅ!!!!!」」」

バッと転移で3人が出てきた。

旦那様、ツァイ兄、シトリン兄……。聖剣さんもっ…!

人間相手じゃ役に立たないだろうけど、駆けつけてくれる気持ちが嬉しい、聖剣よ…。

『こるぁ!我の勇者に何しとんじゃい!』


「お前……。ドゥーブルじゃないか!そんな格好までしてうちに潜り込むとはな!廃嫡だけでも免れたというのにそんなに落ちぶれたいのか………フフフ…。」

だ、だんなさま???ちょっと『魔王』出てない?


「おい、ルシフルさま…!!?」
「ルシフル様、落ち着いてください。」

「これが落ち着いていられるか!私の最愛が!こんなやつに襲われていたんだぞ!かわいそうに、怖かっただろう!」

「それは俺もうちの大天使に不埒なことを考えるなどはらわた煮えくりかえってますけどね。」
「ねえ、ルシフル様。この人ってまだ一応王族でしょう?護衛どころか侍従一人さえ連れずに来たようですけど、どこまでだったらシメても許されるでしょうか…??」


「トロンのために王族として生きるのを許されているだけだ。王族としての力なんてもう実際には何もない。どうせこんなことをやらかしたからには、厳罰が下るはずだ…。生きてさえいればいいだろう………。」



「ちょ、ちょっとアンリ兄さま!アンリ兄さまはそんな怖いこと言う人じゃなかったじゃないか!ま、魔王だな!浄化したなんて嘘で魔王に取り込まれているんだッ!」


「だ、ま、れ…!」



「生きてさえいればいいんだったら大丈夫だよな?」

「そうですね。去勢すれば大人しくなると聞きますよ。術後私が回復魔法かけてやりますし。」


兄さんたち!!!??


「ひぃぃいいい!」
旦那様の弟のあのアホ元王太子だったらしいゴリラが股間を抑えて震えあがった。


「あの、俺は何もまだされてないから、ちょ、落ち着いて。」
旦那様の胸に飛び込んで、ぎゅーっと抱き着いてやると、しゅうしゅうと怒りが収まっていくのを感じた。

「ああ、ジルっ!」

「大丈夫だよ、〇ん〇ん握らされたくらいしかされてないから。」




「ぬわんだとぅ~~~~~~~!」


やべ。


旦那様の片目が赤く光る。
見られるっ!



「う、うわぁ!成敗あたーっく!」

皆に任せたら過剰防衛になってしまう!

回し蹴りと腹パン連打かましたら、簡単に気絶した。
よし、転移魔法で城にぽいぽいだ!
兄さんに転移ゲートを出させて放り込む。


よかった、事件なんて起きなかった。


「ジル、おててを浄化しよう。気持ち悪かったね。」
「かわいそうなジル…。」
「私もにぎにぎしてもらったことないのに…!」


うーん。3人とも俺に抱き着かないでほしい。重い。

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