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公爵令嬢の雄たけび

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やったー!

やったわぁぁぁああああ!!!


何がどうなったのかは分からないけれど、陛下に「正直な気持ちを教えてほしい」と言われて答えたら、私の婚約者はあの男からトロン殿下に変わったのよ!!


私より美人が現れたから(人妻だからどうにもならないでしょうけど)、私のことなんてどうでもよくなったのかしら?

でも、王太子はトロン殿下になるらしいの!

今まで教育を受けて執務をしていたのもトロン殿下らしいし、あの人はやっぱりそういう人だったのよね!
病弱なお兄様の手柄を横取りして大きな顔をしていたくせに、続きさえちゃんとやれてなかったし。

あるべきところに名声が戻って、然るべき人が評価されて、なんてすばらしいのでしょう!



「カリナさま…。これからよろしくお願いしますね、私なんか……ではカリナ様と釣り合いませんが…。」

目の前の人は自信がないのね。

何故かお母様からも虐げられ、あのクソからも虐げられてきたんだもの。
本当は素晴らしい方なのに…。

そういえば、髪の色は金髪なのね。

でも長い前髪と眼鏡でお顔が良く見えないわ。

それにとっても内気で弱そうに見えちゃう。

今はそうかもしれないけれど、立派な陛下になってもらいたいわ。
それができる実力がおありだもの。
私がお支えするわ…!

そうだ!

「そんなことありませんわ!ドゥーブル殿下たちのおっしゃられたことは全てうそです!今まで言われてきたことは全く、聞かなくてよろしいですわ!ご自分は器にないのに自分が陛下になろうとして、殿下や辺境伯の功績を我が物として、貴方様方の評価が下がるようにしてきたのですよ!」

「カリナさま…!」

あ、まずいわ。つい身を乗り出して手を握りしめてしまったわ。淑女を忘れちゃった。

殿下のお顔が真っ赤だわ。

「私が言ったのです……。トロン殿下だったらよかったのに、って…思っていると…。」

「えっ……こんなに冴えない私を………?」

「冴えなくなんかないですわ!!!イメチェンしましょう!形から入るのです!そうすればきっと殿下も自分に自信が持てますわ!殿下は素晴らしい方なのです!」


私は自分の侍女を呼んで、そして………。


「ど、どうかな……??」



ファァァァアアッァア!!!!



「……すっ、素敵ですっ。素敵になっても、私を捨てないでくださいねっ。」

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