上 下
26 / 61

最終学年だけ通います

しおりを挟む
学園に通うにあたって、俺たちはテストを受けた。

「なんていうことだ!入学どころか卒業できる!!」

「どうしてこんな逸材が埋もれて………。国の損失じゃないか。」

「だから私は優秀な学生には学園で支援してでも入れようって言ってたじゃないですか!」


「クンツァイト君!君ならいつでも宰相や魔術師団の団長になれる!この国の知恵と魔法のトップの人間より君は優秀だ!間違いない!」

「シトリン君!!君はこの国の騎士団長の10倍以上は強い!」

「ジルコニア嬢!聖剣を持った勇者である君は、他に替えが利かない人財だ!あぁぁあ、その賢さ、美しさ……!どうしてもっと早く現れなかったのだ!君こそが王妃の器!」



「いえ、王妃とかいやですし。既婚者ですし。」

「先生たちが興奮してくださるのは嬉しいのですが、私たち、主君のためにここを卒業したという箔が必要なのです。」
「それに学園生活を堪能したいよな!」



というわけで、俺たちは最終学年だけ学園に通うことになった。



学園祭とかいうお祭りもあるらしい。

美味しいものでるかなぁ。

地元のレンコン料理出したら食べてくれるのかなぁ。






「おかえり!」

迎えの馬車が停まる。

キャア!と歓声が上がった。

夕焼けに染まった旦那様が俺を抱きしめる。

「ルシフル様、ジルを本当に大切にしてくださいね…。ふふっ。」

「うちの大天使なので。」


「相変わらずお兄様たちは俺に対しておかしいな?」



お兄様たちを領地に送って、二人っきりの馬車の中、ことことこと、と揺られる。

「お友達はできた?」


「ん~?ゴリラだからなぁ…。ふつうにクラスメイトにはなれたと思うけど。」


「……ジル、どう?私のこと、好きになってきたかい?」

「そんなこときかれても…。」


「えっちなことしたい。」


「まだだめっ!」
聖剣でぐさっと防御すると、また、じゅーという音が聞こえた。

浄化がまた一歩進んだみたい。



「仕方ないなぁ。」

そういう笑顔が狡いと思う。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

召喚聖女が十歳だったので、古株の男聖女はまだ陛下の閨に呼ばれるようです

月歌(ツキウタ)
BL
十代半ばで異世界に聖女召喚されたセツ(♂)。聖女として陛下の閨の相手を務めながら、信頼を得て親友の立場を得たセツ。三十代になり寝所に呼ばれることも減ったセツは、自由気ままに異世界ライフを堪能していた。 なのだけれど、陛下は新たに聖女召喚を行ったらしい。もしかして、俺って陛下に捨てられるのかな? ★表紙絵はAIピカソで作成しました。

【完結】糸と会う〜異世界転移したら獣人に溺愛された俺のお話

匠野ワカ
BL
日本画家を目指していた清野優希はある冬の日、海に身を投じた。 目覚めた時は見知らぬ砂漠。――異世界だった。 獣人、魔法使い、魔人、精霊、あらゆる種類の生き物がアーキュス神の慈悲のもと暮らすオアシス。 年間10人ほどの地球人がこぼれ落ちてくるらしい。 親切な獣人に助けられ、連れて行かれた地球人保護施設で渡されたのは、いまいち使えない魔法の本で――!? 言葉の通じない異世界で、本と赤ペンを握りしめ、二度目の人生を始めます。 入水自殺スタートですが、異世界で大切にされて愛されて、いっぱい幸せになるお話です。 胸キュン、ちょっと泣けて、ハッピーエンド。 本編、完結しました!! 小話番外編を投稿しました!

謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません

柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。 父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。 あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない? 前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。 そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。 「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」 今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。 「おはようミーシャ、今日も元気だね」 あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない? 義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け 9/2以降不定期更新

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

生まれ変わったら知ってるモブだった

マロン
BL
僕はとある田舎に小さな領地を持つ貧乏男爵の3男として生まれた。 貧乏だけど一応貴族で本来なら王都の学園へ進学するんだけど、とある理由で進学していない。 毎日領民のお仕事のお手伝いをして平民の困り事を聞いて回るのが僕のしごとだ。 この日も牧場のお手伝いに向かっていたんだ。 その時そばに立っていた大きな樹に雷が落ちた。ビックリして転んで頭を打った。 その瞬間に思い出したんだ。 僕の前世のことを・・・この世界は僕の奥さんが描いてたBL漫画の世界でモーブル・テスカはその中に出てきたモブだったということを。

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!

冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。 「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」 前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて…… 演技チャラ男攻め×美人人間不信受け ※最終的にはハッピーエンドです ※何かしら地雷のある方にはお勧めしません ※ムーンライトノベルズにも投稿しています

処理中です...