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なんで俺が嫁がなければならないんだ?
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「すまんっ!ジルコン、辺境伯家の嫁に行ってくれぇ!!!」
金髪碧眼の美丈夫の父が、床に頭をつけて土下座をしている。
なかなか無い光景だが、使用人は何にも言わないのか。
「は!?この無能、ついに頭がイカレたか??俺は男なのだが???!!!」
「そうですよ、お父様。うちのジルコンは花のように可憐で国一番の美人には間違いないですが、股の間にはちゃんとついているんですよ、ちっさいけれど形のいい、可愛い可愛い朝顔の蕾のような桃色のお〇ん〇んが!!!」
「ツァイ兄の言うとおりだぜ!そりゃあジルコンが大人になって女とずっこんばっこんするようになるってのは想像できなかったけど、こいつは見た目が美少女なだけで、とんでもない奴なんだぜ!お転婆とか通り越してるくらいに!!それに教養とかマナーとか無理じゃね??」
「ツァイ兄さんもシトリン兄さんも酷くない??そこは普通に男なんだからありえないだろって言ってくれないと。大体、どうしてそんなことになるのさ。」
「………えっとぉ。実はジルの戸籍は、ジルコニアって名前で女の子で届け出てましたぁ…。」
「はぁぁあああああ!!!??」
「愛しのルビーが……お前を産んで亡くなって……。あんまりにもルビーに生き写しで……一人くらい娘も欲しかったし…。顔見てたらこの子娘でいけるんじゃない…ってなって。どうせ社交もしてないし、学校もいれられるわけじゃないし、ずっと領地にいていずれ平民になるんだったら問題ないかと思って………。」
「大ありだわ!」
「それがどうして辺境伯への嫁入りに繋がるんですか。」
そうだよ!さすがツァイ兄さん!冷静な男だぜ!なんなら今すぐ当主になって欲しいくらいだ!
「…………このあたりの領主を招いての社交が定期的にあるだろう…???お父さん、ずっとお前のことを自慢してたんだよぉぉおお!!!優しくてかわいくてこの国一番の美少女だってぇ!!!!そしたら!!!」
無能が胸元から取り出した手紙を広げてみる。
『お前の娘は国一番の美人らしいな。王太子の婚約者より美人とは面白い。私の嫁にして王太子を悔しがらせたいから私に嫁がせるように。娘を嫁がせれば、多額の支度金と領地への今後の支援を約束することとしよう。』
「…………は……はぁあ??!!」
「もうっ、こんなのっ、今さら訂正できないし断れないってェえええ!!!」
………エア娘で妄想したいがために俺は女として登録されて………嫁に出されるってこと…??
ぽん、と両肩に手が置かれた。
右肩にシトリン兄さん。
左肩にクンツァイト兄さん。
二人とも片手は自分の目頭に当てている。
「悪い……。辺境伯に目ェつけられたら、この家はおしまいだ。こうなったら仕方ねぇ、嫁に行ってくれ。」
「大丈夫。躰に傷があるとか恥ずかしいとかいって着衣エッチに持ち込むんです。男同士でも後ろの穴でエッチは出来ますから。着衣エッチなら気づかれないでしょう……!」
「ちょっと!!!俺に嫁になって辺境伯に抱かれろっていうのかよ!」
「大丈夫、男同士で子はできません。子がなかなかできなければ第二夫人くらい娶るでしょうし、穏便に離婚だってできるでしょうから!それまでの辛抱です!」
「えっ……離婚されるまでバレないようにしなきゃいけないの?エッチはするのに……??無理じゃん!無理ゲじゃん!」
「ジル。やれないんじゃない。やらないといけないんだよ。」
ああ。絶望だ。
はぁ、辺境伯って何歳だっけ……??
せめて男でも惚れるくらいのイケメンだったらいいなぁ…。
金髪碧眼の美丈夫の父が、床に頭をつけて土下座をしている。
なかなか無い光景だが、使用人は何にも言わないのか。
「は!?この無能、ついに頭がイカレたか??俺は男なのだが???!!!」
「そうですよ、お父様。うちのジルコンは花のように可憐で国一番の美人には間違いないですが、股の間にはちゃんとついているんですよ、ちっさいけれど形のいい、可愛い可愛い朝顔の蕾のような桃色のお〇ん〇んが!!!」
「ツァイ兄の言うとおりだぜ!そりゃあジルコンが大人になって女とずっこんばっこんするようになるってのは想像できなかったけど、こいつは見た目が美少女なだけで、とんでもない奴なんだぜ!お転婆とか通り越してるくらいに!!それに教養とかマナーとか無理じゃね??」
「ツァイ兄さんもシトリン兄さんも酷くない??そこは普通に男なんだからありえないだろって言ってくれないと。大体、どうしてそんなことになるのさ。」
「………えっとぉ。実はジルの戸籍は、ジルコニアって名前で女の子で届け出てましたぁ…。」
「はぁぁあああああ!!!??」
「愛しのルビーが……お前を産んで亡くなって……。あんまりにもルビーに生き写しで……一人くらい娘も欲しかったし…。顔見てたらこの子娘でいけるんじゃない…ってなって。どうせ社交もしてないし、学校もいれられるわけじゃないし、ずっと領地にいていずれ平民になるんだったら問題ないかと思って………。」
「大ありだわ!」
「それがどうして辺境伯への嫁入りに繋がるんですか。」
そうだよ!さすがツァイ兄さん!冷静な男だぜ!なんなら今すぐ当主になって欲しいくらいだ!
「…………このあたりの領主を招いての社交が定期的にあるだろう…???お父さん、ずっとお前のことを自慢してたんだよぉぉおお!!!優しくてかわいくてこの国一番の美少女だってぇ!!!!そしたら!!!」
無能が胸元から取り出した手紙を広げてみる。
『お前の娘は国一番の美人らしいな。王太子の婚約者より美人とは面白い。私の嫁にして王太子を悔しがらせたいから私に嫁がせるように。娘を嫁がせれば、多額の支度金と領地への今後の支援を約束することとしよう。』
「…………は……はぁあ??!!」
「もうっ、こんなのっ、今さら訂正できないし断れないってェえええ!!!」
………エア娘で妄想したいがために俺は女として登録されて………嫁に出されるってこと…??
ぽん、と両肩に手が置かれた。
右肩にシトリン兄さん。
左肩にクンツァイト兄さん。
二人とも片手は自分の目頭に当てている。
「悪い……。辺境伯に目ェつけられたら、この家はおしまいだ。こうなったら仕方ねぇ、嫁に行ってくれ。」
「大丈夫。躰に傷があるとか恥ずかしいとかいって着衣エッチに持ち込むんです。男同士でも後ろの穴でエッチは出来ますから。着衣エッチなら気づかれないでしょう……!」
「ちょっと!!!俺に嫁になって辺境伯に抱かれろっていうのかよ!」
「大丈夫、男同士で子はできません。子がなかなかできなければ第二夫人くらい娶るでしょうし、穏便に離婚だってできるでしょうから!それまでの辛抱です!」
「えっ……離婚されるまでバレないようにしなきゃいけないの?エッチはするのに……??無理じゃん!無理ゲじゃん!」
「ジル。やれないんじゃない。やらないといけないんだよ。」
ああ。絶望だ。
はぁ、辺境伯って何歳だっけ……??
せめて男でも惚れるくらいのイケメンだったらいいなぁ…。
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