天涯孤独な天才科学者、憧れの異世界ゲートを開発して騎士団長に溺愛される。

竜鳴躍

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カシューさんの病

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「初めまして。斎藤樹です。専門とは少し異なりますが、私から説明します。」


斎藤先生は、50代に見えないほど若々しくて穏やかな人だ。
童顔でしわができにくいのか、それは表情が乏しいからなのかもしれない。

くるっとした天然パーマが可愛らしく、猫背気味で、丸い眼鏡。



「白血球の数字的に異常は見受けられません。ただ…血小板数、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、プロトロンビン時間(PT)に気になる結果がありましたので、血液中の第Ⅷ因子や第Ⅸ因子の量を調べました。遺伝子に問題はなさそうなので、恐らく後天性。須藤さんならどのような治療になるか分かりますね。」

「はい。バイパス療法ですよね。”エミシズマブ”あたりですか…。」



「異世界の方ですから、薬剤には不安がありますね。今のところはそれほど症状は重くないですが、他の患者さんもいるかもしれない。早急にこちらの薬剤や機材の生産体制をとるべきです。」




「よかった!私は死なないんだな!」

「ちゃんと治療すればな。」

何言ってるんだこいつ、みたいな目で塚本君がカシューさんを見てる。

叱らないでやって。



「そっか、薬か……。生産体制…。」

「あ。」


カシューさん、何を閃いたんだ?



「私のゴーレムをシュトローム君にコピーしてもらって、作り手の人数を増やしたらどうにかなる?」


「研究者の育成も必要ね。当面、マリーナ王国とチーズ王国で精密機械を作っているから、工場はこちらで建てたらいいわ。」

「彼らなら、私たちが16年間でみっちり教育してるものな。畑違いではあるが、すぐに覚えてくれるだろう。斎藤君もありがとう。向こうに移住を決めてくれて助かる。」



「財産があるわけでもなし、家族もいないし。やりがいがありそうだからな。向こう製の薬がきちんと効くのか、あちらで同じようなものができるのか。投与された患者の状況も確認しないと。」




「まあ多少ほっとしたところで。嵐、向こうに帰る前にこちらで一緒に外出しないか?」

「いいけど…。」

「私も、一緒に、いきます?」


「ほほぉ、一緒に行くならおのぼりさんみたいにいちいち口を開けて間抜け面をするなよ?」


「これでも私は高位貴族!ポーカーフェイスくらいしてみせる!」


「も~~~~~仲良くしてよ~!」








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専門外のことは大体ネットで検索して調べます。

専門的なことをある程度調べなければならなかったので、更新遅れました。
申し訳ありません。

間違ってたらごめんなさい!
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感想 15

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