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弟が来た

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「お……にいさま?」


お城に呼ばれていくと、自分の分身がそこにいた。


潤んだ瞳がうるうるしてて、かわいいいいいい!!

俺ってこんなかわいい頃もあったんだね!

今じゃおっさんだけど!



「シュトローム=シェル=マリーナ。君の弟だよ。1か月、よろしくね。」

プリ殿下はニコニコとシュトロームと俺に微笑む。


「よろしくね、シュトローム。」

「よろしくお願いします!」



シュトロームの手を握る。

自分より柔らかくて、小さな手。
身長も俺より低い。


城を出て、てくてくと俺の屋敷に向かう。


途中、騎士団に寄ってみる。

丁度、ローゼスさんがナッツさんと剣で打ち合いをしているみたい。


「ナッツ団長、行きますよ!」

「ああっ!」


鋭い剣裁きで力強い動きのナッツ団長。ローゼスさんの動きは流れる水のよう。

かんかん、と打ち合いをしてナッツ団長が勝ったみたい。



「ナッツさん、ローゼスさん、ハンスさん、グリーンさん!」

声をかけると4人が近くに来てくれた。


「ナッツさん。みんな。俺の弟のシュトローム=シェル=マリーナです。1か月ウチにいるからよろしくお願いします。」

「伺っております。私も暫くシュドーの屋敷に泊って護衛を兼ねることになっていますので、よろしくお願いします。」

そうなんだ。
シュトロームは王族だしね。ナッツさんが護衛をしてくれるんだって!


「あの。なんでお兄様をシュドーと呼ぶのです?仲がよいように見えるのですが、なぜファミリーネームを?」


「えっ。シュドーランって聞いたから、てっきりシュドーが名前だと思っていたのだけど?」
ローゼスさんが首を傾げる。

「ごめんね。向こうではファミリーネームが先にくるんだ。こっち式ならラン=シュドーだよ。」

「じゃあ、私たちはこれからランと呼ぶから、ランも私のことをカシューと呼んでくれないだろうか……。」



あ。そういえば惰性でファミリーネーム呼びだった。



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