天涯孤独な天才科学者、憧れの異世界ゲートを開発して騎士団長に溺愛される。

忌々しい兄

私には前世の記憶がある。

前世で私は、醜い男だった。

口うるさい母と義理の父が亡くなり、忌々しい義理の兄が亡くなって邪魔者が消えた後、一時の成功は得たが、失った。


富も名声も、仕事も屋敷も、美しい妻と娘も。



マリーナ王国に婚約者になる王族との引き合わせの席。

相手の両親を見て、思い出したのだ！



死んだはずの義理の兄夫婦は、死んではおらず、異世界に転移していた。

しかも恵令奈は実はこの世界の王女だっただと！？



妻だけは私の勝ちだと思っていたのに。



婚約者になる奴は、嵐にそっくりで気に入らない。



だが私は、今世ではれっきとした王子。

すらりとした長身で華やかな容姿。

ちょっと上手く立ち回り、王太子になるのは時間の問題。



シュトロームは気弱で扱いやすい。



婚約破棄してやる！



可愛いマリアは胸も大きいし美人だ。

多少爵位が低いが構わない。

私が王子だからな！



私は今世で幸せになってやる。