天涯孤独な天才科学者、憧れの異世界ゲートを開発して騎士団長に溺愛される。

竜鳴躍

文字の大きさ
上 下
21 / 90

夜着

しおりを挟む
新しい洋服がたくさん届いた。

代わりに防刃服をプレゼントしたら、真顔で他の団員にも作って欲しいって言われた。

お金がいっぱいもらえることになった。ラッキー。
プリ殿下が払ってくれるそうだ。


そのうちこの世界の上下水道や電気事情も整備したい。

魔法で大体何とかなるっていっても、魔力がない人や少ない人は困るわけだし。


あとはやっぱり医療問題。


魔法で何とかなっちゃうせいで、薬学についての研究が進んでいないって思う。

俺は知識はあるけど、向こうの世界で作ってた薬がこの世界の素材で作れるかどうかはわからない。
屋敷に移した機材を全て正常に動かせるようにするためには、ちょっと時間がかかるし。

機器の整備をしつつ、こちらの素材も分析したいな。


手始めは薬草を手に入れてやってみよう。




「やっぱりこの世界は中世っぽいなぁ。男でもふりふりやレースのついたシャツを着るんだなあ。作業着は飾りの内シャツとスラックスか。これに白衣を着ればいいか。」


もらった服をベッドやソファに並べ、確認する。

下着や靴下、靴やアクセサリーまで本当に一式もらってしまった。


ちらりと下着や夜着を見る。


「…………これを俺が着るのかぁ。なんか恥ずかしいな。こっちの世界はみんなこんななんだなー。まあ、日本も昔はふんどしだしな。」

いわゆるTバック。

腰のところで紐で結ぶやつ。

俺のだから入るけど、こっちの人って大きそうだけど零れないのだろうか。

棒を包み込む部分の面積も小さい気がする。


ナッツさんもみんな履いてるのかな。
ローゼスさんなら似合いそうだけど、なんか変なの。

夜着も兎の耳がついてる着ぐるみパジャマや、夏に着たら涼しそうな透け感のある服。

どことなくエッチ。


「郷に入りては郷に従え。ま、いっか。誰に見せるものでもなし。」







「ふふふ。可愛い私の弟よ。お兄ちゃんはいい仕事をしたぞ?」

「なんですか。お兄様。気持ちが悪い。」

ナッツ家のだんらん。

父の現侯爵であるヘーゼル=ナッツは妻であるリリー=ン=セチアとほほ笑みあう。
ヘーゼル色の髪に青い目の美丈夫とプラチナブロンドに翠の目の美女は仲良し夫婦だ。


「あなた。嬉しいですわね。やっとカシューにいい人が出来て。貴方たちの世代は妻を独占しようと思えばできるのですから、いい結婚をしないとね。私たちみたいな通い婚ではないのだから、合わないと喧嘩しちゃうわ。」

両親の世代は貴重な女性を複数の夫で共有しているため、女性は結婚しても生家にいて、夫たちの家を行き来している。
妊娠時の相手を特定する目的から1か月通ったら1か月はどちらにも通わず、次は別の相手のところへ通う。
お互いの粗が見えないため、いつまでも恋人気分ではいられるのだが、愛し合っている仲では物足りないものがあった。

「近いうちに連れてきなさい。」

ヘーゼルはニコニコ微笑む。

「あなた、いい仕事って何をなさったの?」

マカデミアの隣のすみれ色の髪と目の美女は小柄で愛らしい。
赤子のいる膨れた腹に沿う腕が一際細く見える。
垂れ目がちの目をくりくりさせて、彼女は話を戻した。


「カシューの相手に渡す下着と夜着をとびきりセクシーなやつにしたんだよ。」

「あらまあ、旦那さまのえっち!」

「何を送ったか後でカタログで教えてあげるから、夜のおかずにすればいいよ。」

「お兄様!」

「ははは、早く結婚したまえ。」

「うちの子に従兄弟が出来るといいですわね。」


全く。お兄様ときたら。



カシューはその晩、おかずには困らなかった。


しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

これはハッピーエンドだ!~モブ妖精、勇者に恋をする~

ツジウチミサト
BL
現実世界からRPGゲームの世界のモブ妖精として転生したエスは、魔王を倒して凱旋した勇者ハルトを寂しそうに見つめていた。彼には、相思相愛の姫と結婚し、仲間を初めとした人々に祝福されるというハッピーエンドが約束されている。そんな彼の幸せを、好きだからこそ見届けられない。ハルトとの思い出を胸に、エスはさよならも告げずに飛び立っていく。 ――そんな切ない妖精に教えるよ。これこそが、本当のハッピーエンドだ! ※ノリと勢いで書いた30分くらいでさくっと読めるハッピーエンドです。全3話。他サイトにも掲載しています。

【完結】討伐される魔王に転生したので世界平和を目指したら、勇者に溺愛されました

じゅん
BL
 人間領に進撃許可を出そうとしていた美しき魔王は、突如、前世の記憶を思い出す。 「ここ、RPGゲームの世界じゃん! しかもぼく、勇者に倒されて死んじゃうんですけど!」  ぼくは前世では病弱で、18歳で死んでしまった。今度こそ長生きしたい!  勇者に討たれないためには「人と魔族が争わない平和な世の中にすればいい」と、魔王になったぼくは考えて、勇者に協力してもらうことにした。本来は天敵だけど、勇者は魔族だからって差別しない人格者だ。  勇者に誠意を試されるものの、信頼を得ることに成功!   世界平和を進めていくうちに、だんだん勇者との距離が近くなり――。 ※注: R15の回には、小見出しに☆、 R18の回には、小見出しに★をつけています。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

【完結】塩対応の同室騎士は言葉が足らない

ゆうきぼし/優輝星
BL
騎士団養成の寄宿学校に通うアルベルトは幼いころのトラウマで閉所恐怖症の発作を抱えていた。やっと広い二人部屋に移動になるが同室のサミュエルは塩対応だった。実はサミュエルは継承争いで義母から命を狙われていたのだ。サミュエルは無口で無表情だがアルベルトの優しさにふれ少しづつ二人に変化が訪れる。 元のあらすじは塩彼氏アンソロ(2022年8月)寄稿作品です。公開終了後、大幅改稿+書き下ろし。 無口俺様攻め×美形世話好き *マークがついた回には性的描写が含まれます。表紙はpome村さま 他サイトも転載してます。

ゲーム世界の貴族A(=俺)

猫宮乾
BL
 妹に頼み込まれてBLゲームの戦闘部分を手伝っていた主人公。完璧に内容が頭に入った状態で、気がつけばそのゲームの世界にトリップしていた。脇役の貴族Aに成り代わっていたが、魔法が使えて楽しすぎた! が、BLゲームの世界だって事を忘れていた。

ぼくは男なのにイケメンの獣人から愛されてヤバい!!【完結】

ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

処理中です...