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友達からでいいですか

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「あの。俺、まだこっちに来たばかりで、この世界のことよくわからないし。ナッツさんたちとも会ったばかりだし。だから、よく…分かりません。」


夜風が心地よく、頭を冷やす。

胸の高まりが何を意味しているのか、俺にはまだ分からない。


「だから」


俺を見るナッツさんの手を取る。


「友達?からでいいですか?」


「はい!」


ナッツさんの笑顔は爽やかできれいだ。

年下かぁ。


「この世界のことはよくわからないので教えてください。でも向こうの世界のことならなんでも教えますね。向こうにはあまりいい思い出がないのでできれば帰りたくはないですけど、ちょっと調整したら自由に行き来できると思うし。」


「えっ」


「言ってませんでしたっけ。俺、魔法とファンタジーの世界に来たくて、自分で研究して異世界に来たんですよ。だから、いざとなったらこっちにない素材を向こうに調達しにいったり、専門書を調達することもできるかと。」


「……そういうことはあまり言わないほうがいいかもしれません。向こうの世界はこちらにとってオーバーテクノロジーです。シュドー様だけでも規格外なのに、向こうに自由に行き来できるとなると…。その技術が悪い者に奪われたり悪用されたらと思うとぞっとします。それに、向こうに行ってほしくない…。いい思い出がないんでしょう。」

ナッツさんは周りの様子を注意深く窺っている。


そっか。もう俺、帰らないほうがいいのか。




ナッツさんは真面目だな。

俺が向こうに行き来して、向こうから便利なもの運んで来たら、国にとっていいことなのに。

俺の安全の方を優先してくれる。



翌朝。





俺はまだ引っ越しが出来てなくて、寝ぼけた頭で目を覚ます。




「見慣れない天井。西洋風の立派なシャンデリア。」


そうか、城の一角に引っ越したんだった。


窓から騎士団が見える。


騎士団って朝早い。

朝練か~。運動部って感じ。


「おはよーございまーす!」


窓から手を振ったら、ナッツさんが硬直してた。


なんか変だったかな?







「し、ししししたぎっ。したぎすがたでっ。f;ya!!!」


「団長、あの人ちょっと天然入ってる気がするわ。」

「これから大変だねぇ。」

「ちょっと常識を先に教えてあげた方がいいと思いますよ。」

グリーン、ローゼス、ハンスに言われるより先か。


鼻血を垂らしたナッツは猛ダッシュで駆けていく。
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