可愛いアルファ(仮)は僕のオメガ

竜鳴躍

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終 腐っても元アルファ(仮)

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「何なのこの子。つまみ出して!」

キャロラインが叫び、その場にいたあと二人の黒服が陸を捕まえようと、飛びかかる。

陸は家具の間を器用に縫って躱し、彼らに相打ちをさせ、木刀で腹を打ち込んだ。

「オー……ジャパニーズサムライ………。」

パタッと大の男3人が踞る。
暫くすれば回復するだろうが、それでいい。

陸は、アルの縄を解いた。


「しんじられない!あなたオメガでしょ?体も小さいのにっ。」


「腐っても元アルファだし。こういう場所では小回り効くほうが有利なんだよ。」

そう言えば陸は、飛び級のように大学に進学したから禄に大会は出ていないが、中学までは剣道で全国大会優勝者だったっけ。

アルはカッコいい自分の番に惚れ直した。



「さ、帰ろう。」


「ちょ、ちょっと!」

「あ、あなたには後でキツイことが待ってるらしいよ!下品なおばさん?」

にっこり微笑んで喧嘩を売る陸。

まったくもう。


「きい!私は売れっ子のハリウッド女優よ!」

負け犬の遠吠など、耳に入らない。


「ん。」

二人はキスをして、その場所を出た。





映画が封切りになり、公開が終わった頃。

キャロラインは芸能界から消えた。

日本の、といえど力のある政治家の孫らに手を出せばそうなる。


あのとき、キャロラインの居場所を調べたのは、空の番の恵。

父親がテレビ局の重鎮だったから、掴むことができた。

万が一のためのマスコミ対策や警察へのリークへ動いたのは、弁護士をしている陸の母親だ。

木刀は、氷室がテレビ局から小道具を借りてきた。



「これからもよろしく。」


かわいい笑顔。


陸、陸。

あいしてるよ。
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