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俺だって

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パーティの途中でアルがいなくなった。

おかしいな。

なんか胸騒ぎがする。

パーティが終わり、人が帰る中。
俺は辺りをキョロキョロしていた。


「陸くん!」
氷室さんと海兄さんが駆け寄ってくる。

「ちょうどいいところに。アル、見なかった?」

「やはり!キャロラインのお付きが何名か減ってるんだ。たぶん、彼女だと思う。」





会場のあったホテルの最上階のスイートルームで、アルは目を覚ました。

「……………う。」

トイレに行った後、後頭部を殴られた気がする。

ズキズキと痛い。

足は足首で縛られ、腕も後手に縛られている。

「おはよう。アルさん。」


目の前には、黒服とキャロラインがいた。

「悪趣味ですね。スキャンダルですよ。」


「あら、大人しく私の番になった方が身のためよ。私の家、マフィアなの。彼ら、構成員よ?」

ふふっと笑ってキャロラインは注射器を出し、自分の腕に打つ。

「あ、ああん。キタ、」

顔が紅潮している。


「ウッ。」

この匂いはヒート。誘発する即効性の薬剤を打ったか。
顔をしかめる。

「ふふっ、あらがえないでしょ、私を抱かせてあげるわ。本能のままに私を噛みなさい。」

アルのズボンの前を拡げ、中から取り出そうとする。

だがソレは―――――


「なによ!なんで勃たないのよ!」

「僕は僕の運命の番にしか勃たないよ。」

チ、と女が舌打ちする。





コンコン。




「ルームサービスをお持ちしました。スイートルームにお泊りのお客様へのサービスです。」

「こんな時に。あなた、出て。」

手下の一人を対応に出した。


ガッ。


「うぐぉ!」

鈍い音が聞こえ、入口を見る。



「俺の男を迎えに来たぜ?」



木刀を持って、陸が僕を迎えに来た。


「俺だって、アルは譲れないんだよ。」
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