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アクセルの教育係、モルヒネ

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「さすがアクセル殿下!excellent!」

黒髪黒目の容姿端麗な若見えする男。

幼少の頃よりアクセルの傍に仕える男である。


「ふふ、当然だな!」

「このモルヒネ。教育係として鼻が高うございます!」


「はっはっは。しかしモルヒネ。外面良くするのも疲れるな。外交や貴族相手はともかく、平民下民などに外面良くする必要があるのかね?」


「いえいえ、相手が誰でも外面は大事ですよ。どこからか漏れることもあるでしょう?」



「確かにそうだな。」

アクセルの瞳が黒く濁った。






バカだな、と悪魔は思う。

この城の中で、陛下や妃殿下、弟のブレーキは耐性があるのか汚染はできなかった。

近衛騎士も元々聖騎士が配置されるから、近寄りたくない。

侍女たちに近づいても、怪しい動きをすれば首になるだけだ。

芋づる式に自分の存在が明るみになる方がまずい。

だから、こっそりと教育係に混じり、この愚かな長男を少しずつ汚染していった。


有能で素晴らしすぎる両親と弟に挟まれ、この長男の心はねじ曲がっていた。

そして、自分が素晴らしい生き物だと思い込みたい。

そういう願望でいっぱいで。



あ、元々立場が下のものを虐げたいと思う心根は生まれつきだ。


増長させてやっただけで。



ああ、面白い。

ゴウマンもおんなじ。


権力欲をあれだけ持つ者も珍しい。


あいつの妻も娘も、な。

まあ、「悪魔」をひきつけるやつは、相応の資質がある。

惹きつけた時点で、そいつは『悪』なのだ。


人間は馬鹿だね。

あああ、面白い!






さぁ、アヴァロン。
お前の愛した人間なんてこんなものだよ。

ふふ、人間なんて互いに争いあって自滅して、みーんないなくなればいいのに!

大好きだったアヴァロン兄さま。

貴方は僕のものだったのに。

人間と子など為して。人間のために心を砕いて。

だから永遠の命を失ってしまった。

人間なんて憎い。

滅べばいい。

憎しみが力になり、いつしか羽は穢れて『悪魔』と呼ばれる存在に堕ちてしまったけれど、後悔はない。
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