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強襲
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今日も同じ一日が終わり、床に就く。
夢の中では僕は、自由。
大好きなシュナイダーと一緒にお出かけするの。
『アミュレット。アミィ。私の宝物。』
王子様みたいにキラキラした笑顔。
アクセル様みたいな作り物ではなく、本当の笑顔。
ハピネスお兄様とシュナイダーが僕に手を広げる。
『アミュレットとシュナイダーは本当に仲良しだなぁ。弟を頼むよ、シュナイダー。シュナイダーなら安心だ。』
『お任せください。お義兄様。』
『おおいやだ、気持ち悪い。』
ははは、と2人が笑いあう。
『おにいさま?』
『義理の兄になるだろう?おやおやアミュレットはマリッジブルーかな?もうすぐ二人が結婚するだろう?』
えっ!?
僕がシュナイダーと結婚!?
ふんわりとした笑顔。
恥ずかしいくらい柔らかく、僕のことを見つめる瞳。
嬉しい。
これは夢。
分かってる。
でも、覚めないで欲しい…。
『お覚悟……!!!!』
突然、賊が入ってくる。
僕を狙って?
『大丈夫、私が守るから!』
逞しい背中。
「アミュレットは私が守る…!!!お前たちどこの者だ…!!!」
ガタガタっとベッドが揺れる。
覚醒した僕の視界に、黒い男たち。
そして血濡れのシュナイダー。
夜の月明りに銀髪が照らされ、白についた赤が、はっきりと見える。
「………あ、あぁ、あ、あ、あ」
どういうことだろう!?
いったいどうして!?
夢と現実が繋がって、頭の中がぐじゃぐじゃだ。
冷静に、冷静にならなくちゃ。
僕を守るようにシュナイダーが立つ。
対峙していた黒装束の男は、窓から去ってしまった。
ごめんなさい、僕が覚醒したから、シュナイダーの邪魔をしちゃったんだ。
暗闇に目が慣れる。
血の鉄の匂い。
生臭い匂い。
部屋には、絶命した男たち。
「逃げましょう。ここは危険です。」
「でっ、でも…っ。」
「貴方の命に代えられません。私と逃げましょう。私では嫌ですか?」
嫌じゃない。
「ねぇ~アクセル様ぁ。この幸せがずっと続けばいいのに…♡」
「本当に…♡ミレルダ、どうしてアレみたいなのが生きているんだろうな。大体、学園にも通えない馬鹿。あんなのは妃にふさわしくないよ。」
ねっとりとした声で、ミレルダはべったりと体を寄せる。
最後の一線だけは越えてはいないが、それに近しいことは色々とやっている。
ミレルダはアクセルの部屋に泊っていた。
「もうすぐあいつの誕生日だ。婚約が正式になる…。そして卒業。卒業パーティーの時に内外へ発表、をするんだろう。ああ、気が重い。」
「アクセル様、おかわいそう。」
今頃、あの子は殺されてるかしら。
顔をぐっちゃぐっちゃに潰して殺してしまえって命令したもの。
もし、生きてるとしても二目とみられないでしょうね。
そんな状況では王妃は無理ね。
ふふふ、妃になるのは私よ。
夢の中では僕は、自由。
大好きなシュナイダーと一緒にお出かけするの。
『アミュレット。アミィ。私の宝物。』
王子様みたいにキラキラした笑顔。
アクセル様みたいな作り物ではなく、本当の笑顔。
ハピネスお兄様とシュナイダーが僕に手を広げる。
『アミュレットとシュナイダーは本当に仲良しだなぁ。弟を頼むよ、シュナイダー。シュナイダーなら安心だ。』
『お任せください。お義兄様。』
『おおいやだ、気持ち悪い。』
ははは、と2人が笑いあう。
『おにいさま?』
『義理の兄になるだろう?おやおやアミュレットはマリッジブルーかな?もうすぐ二人が結婚するだろう?』
えっ!?
僕がシュナイダーと結婚!?
ふんわりとした笑顔。
恥ずかしいくらい柔らかく、僕のことを見つめる瞳。
嬉しい。
これは夢。
分かってる。
でも、覚めないで欲しい…。
『お覚悟……!!!!』
突然、賊が入ってくる。
僕を狙って?
『大丈夫、私が守るから!』
逞しい背中。
「アミュレットは私が守る…!!!お前たちどこの者だ…!!!」
ガタガタっとベッドが揺れる。
覚醒した僕の視界に、黒い男たち。
そして血濡れのシュナイダー。
夜の月明りに銀髪が照らされ、白についた赤が、はっきりと見える。
「………あ、あぁ、あ、あ、あ」
どういうことだろう!?
いったいどうして!?
夢と現実が繋がって、頭の中がぐじゃぐじゃだ。
冷静に、冷静にならなくちゃ。
僕を守るようにシュナイダーが立つ。
対峙していた黒装束の男は、窓から去ってしまった。
ごめんなさい、僕が覚醒したから、シュナイダーの邪魔をしちゃったんだ。
暗闇に目が慣れる。
血の鉄の匂い。
生臭い匂い。
部屋には、絶命した男たち。
「逃げましょう。ここは危険です。」
「でっ、でも…っ。」
「貴方の命に代えられません。私と逃げましょう。私では嫌ですか?」
嫌じゃない。
「ねぇ~アクセル様ぁ。この幸せがずっと続けばいいのに…♡」
「本当に…♡ミレルダ、どうしてアレみたいなのが生きているんだろうな。大体、学園にも通えない馬鹿。あんなのは妃にふさわしくないよ。」
ねっとりとした声で、ミレルダはべったりと体を寄せる。
最後の一線だけは越えてはいないが、それに近しいことは色々とやっている。
ミレルダはアクセルの部屋に泊っていた。
「もうすぐあいつの誕生日だ。婚約が正式になる…。そして卒業。卒業パーティーの時に内外へ発表、をするんだろう。ああ、気が重い。」
「アクセル様、おかわいそう。」
今頃、あの子は殺されてるかしら。
顔をぐっちゃぐっちゃに潰して殺してしまえって命令したもの。
もし、生きてるとしても二目とみられないでしょうね。
そんな状況では王妃は無理ね。
ふふふ、妃になるのは私よ。
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