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悔しい!

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煌びやかなパーティは続く。俺とオリーブ様はフロアを離れて、上の階の席から下の様子を見守る。

「疲れたら横になっていいんだからね。」

「ありがとう、ジャスティ。」

「足むくんでない?揉もうか??」

「フォール、俺はむくんでないかな?飲み物を持ってきてくれるとありがたいのだけど。」


「そろそろそうおっしゃるのでは、とハーブティーをご用意してありますよ。」

正装姿のクロールがさっと出してくれる。
よく気が付く、助かる!


「ハーブティと一緒につまめるものも何か持ってきてくれないか?」

「分かりました。小魚や海藻を使ったチップスかサンドイッチを作らせます。」

本当によくできた子。


「そういえば、お父様はいつまで王都に?」

「三日くらいは滞在しようと思っている。留守中はセバスチャンがよくやってくれているからな。」


少し離れたところでは、オリーブ様がお父様であるヘリオス公爵と歓談している。
パワーバランスを考慮して、なるべく距離をとってらしたそうだから、積もる話もあるんだろうな。
俺たちもさっき挨拶をしてもらった。
本当にしゃん、とした素敵な紳士だった。
………さすがオリーブ様のお父様。

「グリンフィールド家にも顔を出して、孫たちに会ったら帰るつもりだ。もし、領地に遊びに来てくれるならもてなすから、子どもたちに話しておいてくれ。特にフォールたちやマリアはあと数年もすれば気軽に遊びにはこれぬだろうから。」

「そうですね。マリアはいずれ王女として国のために嫁ぐでしょう。相性の良い相手を探すつもりですが、他国へ嫁に行く可能性が高いですからね。」


そんなふうにお話をしていたら、楽団がワルツの演奏を始めた。











「全く何よ…。悪女もどきの男と暴力オンナのくせに!ねえ、シャルロット。貴方、公爵家に侍女として見習いをしていた時、非道い目にあったんでしょう?」

「まぁそれはそうだけど、すぐに回復魔法で治療してもらったし。それに、謝ってくれたし。生まれ変わったように公爵は良い風に変わってくれたし。」

同意を得られず、令嬢は口を尖らせる。

フォールやジェニーたちと一緒に学園を卒業したが、婚約者が決まらない。
見栄えがそれ程劣るとは思っていない。
なのになんで。
あいつらに先を越されなければならないのか。


「ふん、まああの方は公爵ですしね。悔しいけれど可愛いし。まあいいわ。でも、アレはないでしょう!なんであんな女の出来損ないが素敵な方と結婚できるの?ほら、みてごらんなさい。ダンスを踊るわよ?」


意地悪く扇子の裏に表情を隠して、注目の中ワルツが始まった。
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