何者かになりたかった、だが王子の嫁になりたかったわけじゃない。

竜鳴躍

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クズ太子叱られる

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「フォール、お前はしばらく私と部屋を交替しよう。」

夕餉の時にオリーブ様はおっしゃった。


「え、私、ジェニーを世話したいです。」

「私もオリーブが部屋にいないと寂しい。」


「安定期に入るまでです。愛情も過ぎれば毒ですよ。私は経産夫ですからね、私が隣の部屋にいた方がジェニーだって心強いでしょう?それに、コネクティングルームにいて欲を我慢するのも貴方には辛いでしょう?信頼しないわけじゃないけど、貴方が我慢してたらジェニーが気にする。ジェニーは優しいから絆されかねないし。なら離れた方がよいでしょう。」

「オリーブ様!ご配慮ありがとうございます。」

本当に嬉しい。
フォール殿下の愛が重すぎて、胃もたれしちゃう。
嫌いになったわけじゃないけど、今は正直程ほどに放っておいて欲しい。



「お母様!嫌です!私には愛するジェニーとお腹の子を守り慈しむ権利があるはずだ!」

「煩い!日中頑張りなさい。寝室ではそっとしておく!大事があれば助けるのは当たり前。だけど妊夫は眠くなるし、休養も必要。程ほどに動くのも必要ではあるが、お前はまだそういう加減も分からぬだろう?共寝したくば、妊夫のことを学んでからにしろ?それまではジェニーのことは私に任せること。わかったな?」


フォールは陛下と顔を見合わせて、二人でしょんぼりした。

ふふ、ごめんね。

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