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ビューテ侯爵家へ

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「いらっしゃい、自分の家だと思って寛いでね。」

白衣姿のジェニーさまのお父様とケニー様が迎えてくれた。

「いやぁ、使用人を増やしておいてよかったですね。」
「そうだねぇ、使っていない部屋は碌に掃除していなかったからなあ。」

……うちの実家がすみません。


窓の外は緑でいっぱい。
すぐ近くには、新たにもらえた土地である森がある。

「ちょっと魔物とか獣とか出るけど、水が綺麗な川があるよ。あとで行こうか。」

「魔物退治は得意なので任せてください!」

「ふふ、ケニーお兄様がリリー様を誘っていてね。ジェニーも呼んで狩りをしようかって企画しているんだ。一緒に楽しもうね。魔物のお肉もおいしいんだよ!」

マモノノオニク オイシイ?


「そうそう、トニー。最近ここらへんうろついてる不審者いるから気を付けてやるんだぞ。こんなに可愛らしい方、目をつけられるだろうから。」


「任せてよ。」


キャー、可愛いだって!嬉しいなあ。





ボク、ちょっとびっくりしたんだけど、ジェニーさまがあんなに自分に自信がなかったのって、周りが規格外だったからじゃないかなあ。


『ちょっと山に肉とりに行ってくる!』

『じゃあ俺は魚!』

『じゃあ私は野菜をとりに行ってくるかな。』

そういって出かけて行ったトニーさんたちが夕飯前に取って来たのは何だと思う?

肉=ドラゴン
魚=リヴァイアサン
野菜=マンドラゴラ

美味しかった。



「ミルキィちゃんは、うちのトニーのことが好きなのねぇ。いよいようちを乗っ取りに来たのかって心配してたの。ごめんなさい、いい子なのに。」

「本当だよ、まったくお母様はネガティブなんだから!」

「でも……ふふ…、素敵ね。敵対する家同士に生まれた二人が、愛を育んで…。駆け落ち……。あはっ。すごいわ、筆が乗りそう。」

「……ふぇ?」


「ごめんね、ミルキィ。お母さまは夢見がちなところがあって…。だから、最近はそれを活かして小説を執筆しているんだ。使用人が増えて余裕が出たからね。」

へ~そうなんだ!

ボクをヒロインに採用するなら、めちゃくちゃ可愛く書いてね!
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